企業の不正は経営者の責任

不正

企業の不正行為がしばしばニュースになっています。

先日発覚した神戸製鋼所の関連会社で起きたJIS法違反について、日経ビジネスオンラインが不正を紙上で再現し、あなたは見抜けるかと問うています。

不正の現場を誌上で再現、あなたは見抜けるか?:日経ビジネスオンライン

簡単にまとめると次のようになります。

製造部の技術課品質設計を担当する担当部長が品質保証室の室長を兼務しています。

検査結果を用紙に記入し、その後、パソコンに入力していました。このパソコン入力のタイミングで検査結果を改ざんしていました。

改ざんは品質保証室の室長(製造部の技術課品質設計を担当する担当部長と兼務)が部下の検査係に指示して行われていました。

2001年頃から不正が行われ、その間、品質保証室の室長は何人も変わっていますが、そのたびに不正は引き継がれていました。

製造部の技術課品質設計を担当する担当部長と品質保証室の室長の兼務が、不正が行われていた間ずっと行われていたかどうかは、記事には書かれていません。

もし、兼務がずっと行われていたならば、人事担当者の責任もかなり大きくなります。

自分で作ったものを自分でチェックしていたということです。記事では「客観的な視点が入りづらい状況にあった」と書いていますが、そんな生易しいレベルではありません。これはあり得ないことです。チェックになりません。

上司から不正を指示された部下が、それを告発することは容易なことではありません。

不正を告発する仕組みが社内にあったかどうかも記事にはありません。仮にあったとしても、それが機能しているとは限りません。

社内の不正告発の仕組みに基づいて不正を告発した人が、その後不利益を受けたと会社側と争ったニュースもあります。

暗澹たる気持ちにさせられるのは、不正が代々引き継がれていたことです。これは、社内の雰囲気が、不正を正すことよりも、なあなあですますことを優先するものだということです。

親会社から赴任した新工場長が不正に気付いたのは、「トクサイ」という言葉が使われていたためと書かれています。「トクサイ」とは「特別採用」の略で、不良品でも顧客が購入を希望すれば販売を認めることを指しています。

JIS規格から外れているものに、JISマークを付けて出荷することではありません。

「改ざんについて認識していたのは、品質保証室長と検査係の2人だけだった。」と書かれていますが、これは疑問です。「トクサイ」の言葉がそれほど使われていたならば、他の人も不正に気付いていたと考えるのが自然です。

日経ビジネスの記事からわかることは、この会社では、不正はいけないことだという意識がなく、不正を正すことよりも、社内の融和を優先してきたということです。

昨今の企業の不正により経営を危うくした他社の事件は、あえて見ないようにしていたのでしょう。

そのため、外部から人が来るまで明るみに出なかったのです。

このような企業は日本にはまだまだたくさんあるような気がします。そのような会社では、社内の融和を何よりも大事にし、会社の存続を危うくする不正についても正そうとしません。

不正を正そうとする人は、社内でつぶされます。

しかし、不正は社員の精神をむしばみ、不正が明るみになれば会社は大きな打撃を受けます。

不正を許さない空気を社内に醸成することは経営者の責任です。

これからは、不正を許さない空気を醸成した会社だけが生き残り、不正を許容する会社は社会から消え去ることになります。

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