学歴社会・終身雇用の生まれた原因と展望

椿

学歴社会・終身雇用といわれた社会も変わりつつあります。その生まれた原因と今後の展望を考えました。

江戸時代は、生まれで職業が決まり、固定された身分社会でした。明治維新で下級武士が政府の要職に就きましたが、華族制度もあり、身分間の流動性はそれほど高くなりませんでした。

身分間の流動性が高まったのは、やはり第二次世界大戦後です。憲法により、人種、信条、性別、社会的身分又は門地による差別が禁止されました。職業選択の自由が保証されました。農地解放により小作農がなくなりました。義務教育は無償化され、望めばほとんどの人は大学教育を受けられるようになりました。

その結果、個人の知的能力は学歴との相関関係が高くなりました。高度経済成長期を向かえ、企業は採用を増やしますが、人の評価は容易ではありません。そこで、企業は学歴を人物評価の基準としました。どこの大学を卒業したかが企業の中でものをいうようになりました。さらに業績が悪いからといって、簡単には従業員を解雇できない法律が、終身雇用制を生み出しました。

それが、大学を卒業した時に、どこに就職するかによってその人の一生が決まる社会となった原因です。大学卒業時に官公庁か国策企業に入ることが、ベストと考えられた時代となりました。

その後、企業の中では、出身大学が出世を左右することは減り、配属された部門や上司の方が出世を左右するようになりました。現在、出身大学だけで出世が決まる企業は、あったとしてもごく一部です。

採用時には大人数の採用希望者をさばききれず、大学による選別を実施している企業もあると報道されていますが、技術的な解決が可能です。学歴が必要以上に重要視される社会はなくなりつつあります。

一方、終身雇用が続く限り、官庁や大企業への就職希望は減りません。しかし、大企業も破綻し、数千人規模のリストラを行うようになりました。終身雇用制も崩れはじめています。

官庁の天下りも批判されています。向こう30年以上にわたって安泰な組織など、予測は困難です。大学卒業時の就職先選定もこれから変わっていきます。

大学卒業時の就職先で一生が決まるという、やり直しのきかない社会は、不健全です。それは、人々を保守的な行動に走らせ、日本全体の活気も奪っています。日本を活性化するために必要なことのひとつは、雇用の流動性を高めることです。

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