WhatsAppを買収したFacebookのねらい | 定年起業のためのウェブコンサルティング

WhatsAppを買収したFacebookのねらい

スマホ

 Facebookからメッセンジャーアプリに若年層が流れ、Facebookのユーザー数が頭打ちあるいは減少していると言われています。そんな中、FacebookがWhatsAppを買収したというニュースが流れました。

 Instagramと同様に、WhatsAppもFacebookから独立した状態を維持する予定と報道されています。Facebookユーザーの流出先を買収することにより、実質的にユーザーの流出を防ごうという戦略です。

 しかし、以下の理由により、いつまでもWhatsAppを独立した状態にしておくとは思えません。

1.メッセンジャーアプリのトップシェアは地域ごとに異なる

 WhatsAppは世界の多くの国でメッセンジャーアプリのトップシェアを占めていますが、一部の国では違います。日本ではLINE、韓国ではKakaoTalk、中国ではWeChatが、それぞれの国で、ダントツのトップシェアとなっています。WhatsAppは、これらの国では2番手以下に甘んじることになります。

2.メッセンジャーアプリはFacebookも持っている

 FacebookにもFacebook Messengerというメッセンジャーアプリがあります。メッセンジャーアプリは、音声チャットやスタンプの有無などの違いはありますが、バージョンアップで対応可能な範囲の違いしかありません。

 なにもしなければ、WhatsAppのユーザーがFacebook Messengerに流れてくるとは思えません。逆に、まわりの人が使っているという理由で、Facebook MessengerのユーザーがWhatsAppに流れることはあります。

Facebookのねらい

 何もしなければ、FacebookがWhatsAppも保有したという以上の意味はありません。おそらく、WhatsAppをFacebook Messengerに統合し、ユーザーをそのまま取り込む戦略をとってくると思います。

 日本、韓国、中国というWhatsAppのシェアが低い地域では、同じ戦略は使えません。仮に同じように、各国でメッセンジャーアプリのトップシェアを握っている会社を買収し、アプリを統合したら、アプリは肥大し、性能の悪いものになります。

 メッセンジャーアプリは、まわりの人が使っている限り、自分だけ別のアプリを使うというわけにはいきません。そのため、乗換のハードルは高いものになります。

 Facebookは、WhatsAppとFacebook Messengerを統合した新アプリを世界標準のメッセンジャーアプリとして、世界で活躍する人は新アプリを使うという状況を作りだすという戦略をとってくると思います。そうすることにより、日本、韓国、中国でも、新アプリのシェアを伸ばすことができます。

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