人を型にはめて判断するということ

型抜き

あなたは、人を「あの人は○○タイプの人だから」ということで、判断することはないでしょうか?

人の性格や能力は複雑なものです。その複雑な人を理解する手段として、いくつかの要素に分解する手法があります。

ストレングス・ファインダーは、顕著な業績を残している人から抽出した34個の「強みとなりうる資質」をもとにしています。エニアグラムでは、性格を9種類のタイプに分けています。

自分がどのタイプに属するかを調べるテストもあります。ストレングス・ファインダーでは、自分が持っている34個の要素の強さの順序がわかります。自分の強みを知ることにより、職業や進路を選択するときの参考にできます。

しかし、このような人の性格や能力をいくつかのタイプに分類する手法は、しばしば間違った使われ方をしています。

「あの人は、○○だから、○○だよね。」というように、人をタイプに分類し、そのタイプに分類されるからという理由でその人の性格や能力を判断するような使い方です。人を型にはめて判断することになります。あたかも、占いのような使い方です。

たとえば、私は「最上志向」が、一番目の強みになっています。「最上志向」とは、常に最上のものを追及する性質です。最上の能力を身に着けたい、最上のものを所有したいという欲求を強く持っています。さらに、自分だけではなく、一緒に暮らす家族や一緒に仕事をする同僚にも最上を求めるとされています。

ところが、一緒に住む家族や一緒に仕事をする同僚には、最上を求めない人もいます。それを、あの人は、「最上志向」が一番になっているから、周りの人にも最上を要求すると考えてしまう間違いを犯す人がいます。

人を典型的なタイプにあてはめ、あの人はこのタイプだから、こうに違いないと考えてしまう間違いです。人は、それほど単純ではありません。あるタイプに当てはまるように見えても、そのタイプの典型的な人物像と同じである方が、珍しいほどです。

ストレングス・ファインダーやエニアグラムは、ある人がどのような傾向が強いかということを把握するために役にたちます。しかし、あるタイプに当てはまるからといって、その典型的な例に一致するとは限りません。

ストレングス・ファインダーやエニアグラムのように人の性格や能力を要素に分けて分類する手法は、占いとは違います。人の全体像をいくつかの要素で示すものです。ある要素があるから、こういう人だという占いのような判断をすることは間違いです。

私が中学生の時でした。私はクラスの委員になりたくありませんでした。理由は、クラブ活動に力を入れたいためです。委員会はクラブ活動の時間に開かれるため、委員になると練習時間が削られるからです。

ところが、担任の教師は委員をやりたがらない生徒は、勉強時間が減ると考えていると思い込んでいました。それが、その教師の考える委員をやりたがらない生徒の典型的なタイプだったのだと思います。

そのため、最初は話がまったくかみ合いませんでした。人を典型的なタイプにあてはめて理解しようとする誤りの例として、40年以上たった今でも鮮明に覚えていることです。

 ストレングス・ファインダーについては、次の本が参考になります。