日本のソフトウェア産業衰退の原因はSIだ!

オフィスの女性

SIにおけるお客様とベンダーの関係

お客様のシステムを開発する仕事をSI(System Integration)と呼ぶことがあります。さまざまなIT機器を統合(Integration)して、お客様のシステムを開発するためです。

このようにお客様のシステムをベンダーが開発するとき、お客様はできるだけ安く、望むものを作ろうとします。当たり前のことです。

ベンダーは、できるだけ利益を上げようとします。これも当たり前です。

すると、お客様とベンダーの利益は相反することになります。お客様への提供価格を高くするとお客様の利益が減ります。逆に安くするとベンダーの利益が減ります。

ベンダーの原価を下げる努力は、利益の増加につながりません。むしろ、お客様に買いたたかれる原因となります。

いわゆるWin-Winの関係になりません。Win-Winとは、お互いの利益になるところを探すという、交渉事や人間関係の基本となることです。

自分だけが利益を得たり、逆に相手だけが利益と得たりする契約ではうまくいきません。継続的に良好な関係は築けません。

Win-Winの関係が築けないならば、関係を持たない方が良いと考えられています。

すると、お客様のシステムをベンダーが開発するような仕事はやらない方が良いということになります。

一般的な価格の決まり方

一般的にものの価格は、需要と供給の関係で決まるといわれています。

消費者は高いとあまり買いませんが、安ければたくさん買おうとします。

生産者は高ければ儲かりますのでたくさん作りたくなります。安いと儲かりませんので、あまり作ろうとしません。他のものを作って儲けようとします。

この仕組みがあるから、消費者と生産者の折り合うところで価格と量が安定することになります。

SIの仕事はこの仕組みが成り立ちません。だから、Win-Winの関係が成り立たないともいえます。

では、どうするか?

それではどうすれば良いのでしょうか?

ベンダーは、特定のお客様のシステムを開発するからWin-Winの関係が成り立たなくなります。

多数のお客様がほしくなるようなシステムを販売すれば良いのです。

そうすれば、需要と供給の関係で価格が決まり、原価を下げる努力は利益の増加につながります。

お客様は自分のシステムは自分で開発すればよいのです。開発ツールや部品としてのソフトウェアパッケージは購入します。

そうすれば価格に見合ったシステムを手に入れることができます。

米国では自社のシステムは自社で作ることが普通です。ところが、日本ではソフトウェアベンダーに発注して作らせることが一般的です。

この違いが、日本と米国のソフトウェア技術者のモチベーションやスキルの違いとなっています。さらにソフトウェア産業の強さの違いともなっています。

米国と日本のソフトウェア産業の違いについては、次の記事もご参照ください。

日米のソフトウェア産業の差はソフトウェア技術者の勤務先の違いという不思議

日本のソフトウェア産業がダメになった理由

日本のソフトウェア産業の未来

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