起業しても下請けでは意味がない

下請け

私自身起業したこともあり、長年サラリーマンをやった後、起業した方と何人も会ってきました。

そこで、気になったのは、サラリーマン時代に行っていた仕事と同じ仕事を、元の会社の下請け、あるいは下請け会社の下請けとして、やっている人が少なからずいることです。

会社側の考え

会社から見た場合、一般に社員にやらせていた仕事を下請け会社に発注するとコストが下がります。ふつうの会社では、福利厚生・社会保険などで、社員に払っている給料の3倍ぐらいのコストがかかっています。

同じ人が仕事をすれば、同じ品質の仕事ができます。それを少ないコストでできれば、こんなにいいことはありません。

その仕事がなくなった場合、社員であれば、その社員に代わりの仕事を探さなければなりません。新しい仕事に慣れるまで、生産性や品質も落ちます。

外注しているならば、仕事がなくなった場合、発注がなくなるだけです。下請け会社は、仕事がなくなり困ることになります。

つまり、会社にとってみれば、社員が起業したいと言った場合、その社員の仕事をその社員に発注できれば、いいことだらけです。コストも下がり、仕事がなくなれば、それで終わりにできます。

ただし、起業する社員にとっても、当面の仕事を確保できることになり、ありがたく思うかもしれません。

下請けの危険性

仕事の一部として、元の会社や下請け会社から仕事を請け負っているならば、まだいいです。

問題は、すべての仕事を勤めていた会社から請け負っている場合です。

以前勤めていた会社か否かに関わらず、すべての仕事を一社だけから請け負っている状態は危険な状態です。

その会社からの発注がなくなったら、すべての仕事を失います。

起業したばかりで、まだ他から仕事を受注できていないならば、これから受注先を増やすことになります。

元の勤め先から仕事をもらえる状態で満足していると危険です。

社員と下請けの違い

社員ならば、仕事の方針などを自分で決められます。上司が決めるとしても、自分の意見を言うこともできます。

下請けでは、そのような機会はふつうはありません。言われた通りの仕事を言われた通りにやるだけになります。

また、下請けの仕事は、元請けの会社から無理を言われがちです。納期やコストについて、常に「改善」を求められます。

せっかく起業したのに、待遇はサラリーマン時代よりも悪くなります。

サラリーマンならば、身分は法律が守ってくれます。残業時間は36協定で決まっています。日本の法律では、どんなに仕事ができなくても、それを理由にクビにはできません。

ところが、下請け会社では、何も守ってくれません。下請法の対象になるならば、下請法が守ってくれるぐらいです。

個人の場合、発注元の会社の資本金が1千万円を超えるならば、下請法の対象になります。下請法の対象になれば、一度定めた下請代金は減額できません。つまり、不要になったなどの発注側の都合で変更することができません。

下請代金は注文した物品の受領後60日以内に支払わなければなりません。その他にもさまざまな制限が発生します。

相手が大企業であれば多少は下請法が守ってくれますが、下請けでは間違いなくサラリーマン時代よりも劣悪な待遇で働くことになります。

まとめ

サラリーマンをやめて起業するとき、元の会社から仕事を受注できるとしても、それで満足してはいけません。

仕事への影響力はサラリーマン時代よりも小さくなります。しかも待遇は悪くなります。

あくまでも、当面のしのぎです。仕事がなくなれば、発注は打ち切られます。会社が、あなたよりももっと条件の良いところを見つけた場合も仕事を失います。

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