ITエンジニアが便利屋にならないために必要なこと

異動

ITエンジニアがオフィスのLAN配線係になってしまったという記事がありました。

木村岳史の極言暴論! – オフィスのLAN配線係になってしまった元IT部員、その理由は?:ITpro

システム開発案件のなくなったIT部門が、事業部門と人事交流した結果、優秀だったITエンジニアがオフィスのLAN配線係やパソコンのよろず相談係になってしまうという話です。

その原因をエース級の人材を出さないからだと結論づけています。経営やビジネスの観点からITを考えることができるエース人材を事業部門に出さないことが、LAN配線係やパソコンよろず相談係を生み出すとしています。

これには違和感があります。

何を期待しているか?

ITエンジニアを事業部門に異動させることで、何を期待しているのでしょうか?

元の記事によると、ダイバーシティ(多様性)を高めるためと読めます。タコツボ化した組織の現状を打開するために、異色の人材を入れようということです。

しかし、このようなあいまいな目的で人を異動させても効果はありません。

そのようにして異動させられたITエンジニアは、異動先で自分が活躍・貢献できる仕事を探します。その結果が、オフィスのLAN配線係やパソコンのよろず相談係です。

これは、エース級の人材を異動させたとしても同じです。

逆側のケース

元の記事によると、逆に事業部門からIT部門に異動した人は、もっと悲惨です。

事業部門とIT部門の橋渡し役をやらされますが、社内根回し係ではヤル気をなくし、転職してしまいそうだと書かれています。

これも異動させることで、何を期待するかを考えていないことが原因となっています。

あるべき姿

タコツボ化した組織の現状を打開するなど、あいまいな理由で行われた異動がうまくいくはずがありません。

異動させられる本人にとってみれば、慣れた仕事と職場から離れ、まったく新しい職場で、未経験の仕事をするわけです。

長年かかって身につけたスキルが、突然、まったく役に立たなくなるのです。

その目的があいまいでは、本人は納得がいかないまま、転職しても不思議ではありません。

むしろ、例として出てきたITエンジニアのように、LAN配線係としての仕事を見つけるだけでもましです。

異動は組織としての目的を明確にし、本人が納得して、はじめてうまくいくものです。

例えば、異動先の業務をITエンジニアの視点から改善するというミッションがあり、そのために必要な権限を与えられるならば、成果を出すことができます。

異動先の業務について素人ならば、学ぶための機会と時間が必要です。それがなければ、ITによるビジネス変革などできるはずもありません。

もし、ITエンジニアが元の記事のような場面に追い込まれたならば、異動の目的をはっきりさせ、必要な権限を要求することが必要です。

異動先の業務知識がないならば、身につけるまでの時間と方法も確認すべきです。

それが受け入れられないなら、転職を考えた方が良いかもしれません。

おわりに

ダイバーシティを高め、タコツボ化した組織の現状を打開するという理由で、社員を異動させる組織があるかどうかは知りません。

もし、このような悲劇があるとすれば、その会社の将来は明るくはないでしょう。異動させられて、転職のきっかけとなることは、本人にとってはむしろ幸運なことかもしれません。

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