赤字のとき、値下げして売上を増やそうとしてはいけない理由

価格の裏側

商売をしていて、売上が上がらず赤字のとき、商品の価格を下げて売上を上げようと考えがちです。商品の価格を下げればたくさん売れると考えるためです。

しかし、これは大きな落とし穴です。

客が知らない「価格の裏側」PRESIDENT NEXT(プレジデントネクスト)Vol.14』は、そこのところをわかりやすく説明しています。

値下げをしてはいけない理由

商品の価格を下げれば、たくさん売れるかもしれません。しかし、商品ひとつあたりの利益は減ります。固定費は変わりません。

全体の利益は、かえって減る可能性が高くなります。

一般に利益は次の式で表されます。

利益=(価格-変動単価)×数量-固定費

利益を増やすためには、価格を上げるか、変動単価を下げるか、数量を増やすか、固定費を下げればいいわけです。

この式に具体的な数字を当てはめてシミュレーションしてみればわかります。

本書ではカレー屋を舞台にして、次の数字を具体例としてあげています。

価格=650円
変動単価=415円
数量=1,800個
固定費=500,000円

利益は、77,000円の赤字です。

ここで、価格を10%下げて赤字を解消するためには、2,942個以上売らなければなりません。64%も数量を増やさなければ赤字を解消できません。

逆に価格を10%上げてみます。1,667個売れれば赤字を解消できます。数量が7%減っても赤字を解消できるわけです。

どちらが現実的に可能な数字かということになります。

赤字が続き倒産しそうな会社を立て直すためには、価格を上げることが、しばしば有効な手段になります。価格を上げて、少し客足が遠のいても、利益は増えます。

価格を下げて売上を増やそうとした場合、赤字を解消するためには、数量を大幅に増やさなければなりません。かえって利益が減り倒産を早める結果になります。

価格を上げることは、価格を上げても自社の商品を買ってくれる優良な顧客を選別することにもつながります。

価格を上げて買ってくれなくなる顧客は、自社の商品を気に入っているのではなく、低価格に魅力を感じていただけです。

逆に価格を下げることは、ブランド力を低下させることにもつながります。一度失ったブランド力は簡単には取り戻せません。

顧客単価を上げる方法

顧客単価を上げるためには、単純に商品の価格を上げるだけでなくさまざまな方法があります。

グレードの高い商品を販売することにより、もっと高い価格でも買ってくれる顧客に対応することができます。航空券のファーストクラスやビジネスクラスが良い例です。

個別売りとセット売りをうまく組み合わせることで、顧客タイプ別に利益を最大化することもできます。

商品を「松竹梅」と3種類用意することで、真ん中の「竹」を売りやすくすることもできます。

おわりに

価格の設定は難しいものです。

多くの人は、原価に適正な利益をのせた価格を売価に設定します。また、同業他社の価格を参考に決める人もいます。

しかし、価格は、お客様が商品やサービスに感じている価値に設定すれば良いのです。設定した価格以上の価値を商品やサービスに感じているお客様に買っていただければいいのです。

高い価格に設定すれば、お客様の数は減ります。価格とお客様の数の見合いで利益が最大になる価格に設定することになります。

高い価格でも買っていただけるお客様は、自社の商品やサービスに高い価値を見出してくれる優良なお客様です。そのようなお客様こそ大事にするお客様です。

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