最近、人狼ゲームをする機会が増えました。人狼ゲームは、ある程度の定石/セオリーを知っておいた方が楽しめます。
そこで、初めての人でもすぐに楽しめるように、人狼ゲームの基本的ルールと戦略をできるだけ簡単にまとめておきます。
人狼ゲームとは
人狼ゲームは、通常十数人のプレーヤーで行われるゲームです。ゲームの始めに各プレーヤーに役職が割り振られます。役職が書かれたカードが配られ、他の人に見られないようにカードを確認します。
役職ごとに陣営が決められていて、村人陣営と人狼陣営に分かれます。村人陣営はすべての人狼を追放することを目指します。人狼陣営は村人陣営のプレーヤーを襲撃し、人数を減らしていきます。
次の勝利条件を満たした陣営が勝ちとなります。
村人陣営の勝利条件:人狼をすべて追放する
人狼陣営の勝利条件:村人の数を人狼の数以下にする
ゲームの進行
ゲームは昼と夜の2つのターンで進行します。
昼のターン
昼のターンでは各プレーヤーは自由に対話します。
対話から得られた情報をもとに、人狼と思われるプレーヤーを1名決定し、ゲームから追放します。
追放されたプレーヤーは、それ以降ゲームに参加できません。
夜のターン
夜のターンは、全員が目を閉じて、他のプレーヤーの動きがわからない状態で進めます。
プレーヤーとは別の進行役の指示に従って、役職を持つプレーヤーが、役職に応じた働きをします。
人狼であるプレーヤーは、進行役の指示のもと、人狼どおしで、目線や指さしなどで、襲撃対象を決定します。後述する襲撃が失敗した場合を除いて、襲撃されたプレーヤーはゲームから排除されます。
人狼ゲームの役職と役割
人狼ゲームでは、役職により異なる能力を持っています。役職の名称は統一されていないため、よく使われる名称もかっこ内に記載しました。
人狼
人狼は人狼陣営です。
人狼だけが、誰が人狼か、始めからわかっています。ただし、それ以外の役職はわかりません。後で出てくる裏切者もわかりません。
夜のターンで襲撃するプレーヤーを決定し、ゲームから排除します。
占い師(預言者)
占い師は村人陣営です。
夜のターンで1人のプレーヤーを指定して、そのプレーヤーが人狼か否かを進行役から教えてもらうことができます。
霊媒師(霊能者)
霊媒師は村人陣営です。
夜のターンで「昼のターンで追放したプレーヤーが人狼か否か」を進行役から教えてもらうことができます。
狩人(ボディーガード、騎士)
狩人は村人陣営です。
夜のターンで1人のプレーヤーを指定して、人狼から守ることができます。同じ夜のターンで狩人が守ったプレーヤーが人狼に襲撃された場合、襲撃は失敗し、プレーヤーはゲームから排除されません。
狩人は自分自身を守ることはできません。
裏切者(狂人)
裏切者は人狼陣営です。人狼陣営に有利な言動をしなければなりません。
特殊な能力は持っていません。
ただし、進行役が占い師や霊媒師に人狼か否かを知らせるときは、村人と知らせます。
勝利条件の判定でも、村人としてカウントされます。
村人(市民)
村人は村人陣営です。
特殊な能力は持っていません。
基本的なプレー
人狼ゲームは、通常13人ぐらいで行われます。その場合、各役職の人数は次のようになります。
人狼:3人
占い師:1人
霊媒師:1人
狩人:1人
裏切者:1人
村人:6人
ルールもいくつかのバリエーションがあります。
狩人は同じプレーヤーを2夜続けて守ることができないとするルールを採用することがあります。
人狼ゲームは、昼のターンから始まりますが、その前に、進行役は占い師に村人を1人教えておくというルールもあります。
ここから先は、この人数とこのルールでプレーすることを前提に説明します。人狼ゲームでは、他の役職を増やすこともありますが、ここでは扱いません。
人狼ゲームの定石/セオリー
それでは、初心者が人狼ゲームを早く楽しめるように、定石/セオリーと考えられることを説明します。
勝利条件
初心者が一番勘違いしやすいのが、以下の勝利条件です。
村人陣営の勝利条件:人狼をすべて追放する
人狼陣営の勝利条件:村人の数を人狼の数以下にする
決して自分が生き残ることではないことに注意が必要です。
村人は昼のターンで追放されそうになっても、ウソをついてはいけません。役職でない村人が追放されても、村人陣営にはそれほど大きなダメージはありません。
他の村人陣営の役職は、追放されると村人陣営に不利になります。どうしても追放されそうなときは、自ら役職であることを宣言(以後、CO : Coming Outと表記します)して、追放を免れる努力が必要です。
当然、人狼陣営は村人陣営のふりをして、追放されないようにします。
占い師のCO
ゲームの始まりでは、村人陣営で占い師だけが誰か1人の村人を知っています。それを他のプレーヤーに教えることは、自分が占い師だとCOすることになります。
当然、夜のターンで人狼に襲撃されるリスクが高まります。しかし、1夜は、狩人が守ってくれるはずです。
黙っていると、自分だけが知っている情報を他のプレーヤーは知らずに、追放するプレーヤーを決めることになります。
その間、人狼は1夜に1人ずつ人狼以外のプレーヤーを襲撃します。たまたま狩人が守った人と一致した夜は襲撃に失敗しますが、人狼は誰が人狼かわかっています。狩人は誰がどの役職かまったく知りません。
また、占い師が人狼に襲撃される可能性もあります。
そのあたりを考えると、占い師はなるべく早くCOし、自分の得ている情報を知らせることが定石/セオリーとなります。
COすると2夜目に襲撃されて、ゲームから排除されるからCOしないと考えることは、ゲームの勝利条件を考えていない証拠です。
裏切者のウソ
裏切者は人狼陣営のプレーヤーです。
人狼陣営に有利な言動を取らなければなりません。黙っていては、まったく人狼陣営に有利になりません。
最も有効なことは、占い師だとウソのCOをすることです。そうすることで、村人陣営を混乱させることができます。
人狼のウソ
人狼は昼のターンで追放されないように、うまくウソをつかなくてはなりません。役職だとウソのCOをすることも有効です。
人狼は占い師だとウソのCOをしても、誰が人狼か知っていますから、正しい占いができ、疑われにくい面があります。そこが裏切者と違うところです。
しかし、人狼全員が役職だとCOしてしまうと、COした全員を順に追放することで負けてしまいます。
誰か1人は、普通の村人のふりをして、おとなしくしていなくてはなりません。
投票結果
昼のターンで誰を追放するかを決定するとき、投票で決定します。
このとき、普通、人狼は人狼に投票しません。人狼は誰が人狼か知っているからです。
この投票行動は、ゲームの後半で人狼を絞り込むために、極めて有効な情報になります。
ただし、その裏をかくために、あえて人狼が人狼に投票することもあります。
霊媒師
霊媒師は「昼のターンで追放したプレーヤーが人狼か否か」を知っています。ただし、それを他のプレーヤーに知らせるためには、COが必要です。COすると人狼に襲撃されるリスクが高まります。
そこで、昼のターンで追放したプレーヤーが人狼のときだけ、COして知らせるという方法があります。村人陣営で昼のターンで同意を取っておくことができます。
ただし、最初に人狼に襲撃されていなくなっている可能性を忘れてはいけません。
また、人狼陣営が霊媒師だとウソのCOしたときは、対抗してCOしないと、ウソを信じられてしまうこともあります。
狩人
狩人は、占い師や霊媒師を守ることが基本的戦略です。
夜のターンで人狼に襲撃されて排除された人がいなければ、狩人が守った人が襲撃されたということです。そのとき、狩人は自分が守った人が人狼でないことがわかります。(裏切者の可能性はあります)
それを知らせるためにはCOが必要です。
しかし、それ以外の場合には、自ら積極的にCOする必要はない役職です。
パワープレー
裏切者以外に、人狼と村人が同数残った状態のとき、人狼がCOすることにより裏切者の協力を得て、村人を追放し人狼陣営が勝利する方法があります。これをパワープレーと言います。
例えば、裏切者1人、人狼2人、村人2人の状態のときです。人狼があえてCOして、裏切者と協力して、村人を追放すれば、人狼陣営の勝利となります。
ただし、村人も人狼だとウソのCOをすることにより、裏切者が判断に迷うと成り立ちません。村人がウソをつくことが有効なまれな例です。
占い師の見分け方
占い師が複数人COしているときの、見分け方です。
統一占い
占い師としてCOしているすべてのプレーヤーに、同一のプレーヤーを占ってもらいます。その結果により、有効な情報が得られます。
占ってもらったプレーヤーを追放し、その結果を霊媒師が確認すれば、正しい占いを行った占い師もわかります。
相互占い
占い師が2人いる場合は、お互いを占ってもらうことで、有効な情報が得られます。
おわりに
私は、人狼ゲームは論理を積み重ねて、推理していくゲームだと思います。そこに駆け引きが加わり、非常に面白いゲームになっています。
おそらく、上級者どおしが真剣に勝利を目指してプレーすると、全員がポーカーフェースで、無駄な対話なしで進むと思います。
そのためには、プレーヤー全員が人狼ゲームをある程度知っていなければなりません。人狼ゲームをあまり知らない人が入っているときは、それを考慮しなければなりません。
そこで、すべての人が人狼ゲームの面白さをなるべく早く味わえるように、論理的に推理を進めるための基本的な戦略を書いてみました。
追記したほうが良いことなどがあれば、教えていただけると幸いです。