成果主義の失敗が明らかなのにやめない理由

マンハッタンのビル

日経ビジネス2014年7月21日号に『年功序列を世界標準にせよ 抜擢は人を成長させない』と題したコラムがありました。

私は年功序列をグローバルスタンダードにすべきだと考えている。成果主義で成功している企業は海外にも前例がないと思う。かつて米国製造業が日本の製造業に負けたのも成果主義の弊害でモノづくりの力が落ちたからだ。

かつて『ジャパン・アズ・ナンバーワン』といわれ、日本的経営は高く評価されていました。日本的経営の特徴は次の3つです。

  1. 終身雇用
  2. 年功序列
  3. 企業別組合

その後、米国では日本的経営を取り入れる企業が現れ、日本では米国的な成果主義を導入する企業が相次ぎました。

その結果、米国企業の繁栄に対し、日本企業は低迷しています。年功序列と成果主義にその原因の全てを帰することはできませんが、年功序列と成果主義について、今一度考えてみたいと思います。

年功序列

利点

従業員に対しては、同一企業で長期間働くためのインセンティブを与えることになります。企業にとっては、教育費用を負担し育成するなどの従業員への投資がやりやすくなります。

その結果、従業員にとっても企業にとっても、終身雇用が働きやすい雇用制度となりました。

欠点

半ば自動的に給料が上がっていくため、失敗を避ける事なかれ主義が蔓延し、思い切った施策が出にくくなります。

年齢とともに給料をあげるため、若年層の給料は低く抑えられがちになります。そのため、若く能力が高い従業員が、能力相応の賃金が得られる企業に流出してしまいます。

企業の事業を拡大していかない限り、高齢者のポスト不足となり、仕事のない高齢者に高い給料を払うことになります。

成果主義

利点

向上心のある従業員は、高い成果をめざし労働意欲を高めます。

欠点

成果の評価は、基準があいまいにならざるを得ず、客観性を確保することもできません。その結果、評価への不信感が従業員に蔓延します。

特に、評価の低い従業員の労働意欲を減退させます。

また、報酬に直結する短期的な成果を追求することになり、不正のきっかけを与えることにもなります。

さらに、部門間の確執、従業員の足の引っ張り合いを助長することにもなります。

まとめ

日本企業における成果主義の導入は、会社への貢献度の高い従業員はそれなりの報酬をもらって当然だという考え方から始まりました。

成果主義導入当初から、成果の評価など客観的、合理的にできるのかという疑問を持たれていました。

導入した結果は、従業員の不信感を増し、部門間の無駄な競争を引き起こすことになりました。

それでも多くの企業が成果主義を行っているのは、給料の総額を少なくするためです。

仕事の成果などそう簡単に判断できるものではありません。特に目覚ましい業績をあげたときには、賞与などで報いることが適当です。

上司の好みで行われる恣意的な抜擢などは、円滑な業務遂行を妨げることになり、成果主義の最も悪い面が現れることになります。

年功序列の欠点をなくすためには、挑戦的な失敗を許容する企業文化を育むことです。

また、年齢に伴う単純な昇給を廃止することで、年功序列の弊害を少なくすることができます。

成果主義の破綻は明らかでありながら、給料の総額を抑える目的だけで使われているところに日本企業の業績低迷の原因のひとつがあります。

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