プロジェクトマネジメントで一番大切なことは新国立競技場を見ればわかる

迷走

新国立競技場が迷走しています。これは失敗プロジェクトの典型的な例です。

先日、プロジェクトマネジメントに関連して2つのエントリを見ました。

ひとつは、プロジェクトマネジメントで大切なものは、コミュニケーションとスケジュール管理と課題管理というものです。プロジェクトの現場を確実かつ円滑に遂行するためには大切なことです。

プロジェクトマネジメントで大切なたった3つのこと。 – プロジェクトマネジメントの話とか

もうひとつは、計画が一番大切だというものです。プロジェクトは計画が命です。きちんとした計画が立てられれば、プロジェクトは99%成功したといっても過言ではありません。残るところはリスク管理となります。

プロジェクトマネジメントで大切な一つのこと – プロマネブログ

でも、きちんとした計画を立てるためには、プロジェクトのスコープが決まっていなければなりません。プロジェクトのスコープを決めるとは、プロジェクトの目的、前提条件、制約事項を明確にして、成果物を定義することです。

プロジェクトの目的、前提条件、制約事項、成果物があやふやでは、プロジェクトは迷走します。きちんとした計画を立てられません。プロジェクトメンバーのコミュニケーションをどんなに密にしたところで、スケジュール管理や課題管理をどんなに着実に実行したところで、すべてムダになります。

その典型的な例が新国立競技場の建設プロジェクトです。

新国立競技場建設の目的は何なのでしょうか?

2020年の東京オリンピック・パラリンピックを開催するため? 2019年のラグビーワールドカップで使うため? コンサートなどで収益を上げるため? それとも、神宮外苑に世界に誇れる歴史的建造物をつくること?

費用はどこから調達して、いくらまでかけられるの? 屋根は必要なの? 開閉式でなければダメ? 可動式の座席は必要なの? 駐車場の収容台数はどのくらい必要なの?

このあたりの条件もあいまいなまま、デザイン・コンペが行われ、建築費を試算したところ3000億円もかかることがわかりました。その結果、デザインを変更しています。

建築費を無視して、デザインを決めたということです。そんなデザイン・コンペをなぜ行ったのか理解に苦しみます。

2015年5月26日の日本経済新聞も『目にあまる新競技場の迷走』と書いています。

 まず、売り物のフィールド上部の開閉式屋根は五輪に間に合わず、閉幕後の設置になるという。さらに、トラックにせり出す可動式の1万5千席をやめ、五輪時のみの仮設とする。

 建築資材や人件費の高騰で、1625億円とされた総工費も、大幅な増加が避けられない。2500億円に上るとの試算もある。

引用元:目にあまる新競技場の迷走  :日本経済新聞

新国立競技場は、スコープがあいまいなままスタートして迷走している典型的なプロジェクトです。本来ならば、他分野に渡る多くの関係者を調整して、スコープを決めることが第一に行うべきことでした。

それを行わず、デザイン・コンペを開催し、あろうことか建設費を無視したデザインを採用したところが、迷走の始まりです。

関係者がスコープについて合意しないままプロジェクトを進めていては、ますます混乱します。しかし、今の状況を見ると簡単に関係者の合意が得られるように見えません。スコープの決定が遅れれば遅れるほど、手戻り等の費用も膨らみます。

新国立競技場建設プロジェクトを見れば、プロジェクトマネジメントにはスコープ管理が最も重要であることがわかると思います。

【関連記事】

新国立競技場の問題

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローはこちらからお願いします。

会社勤めから起業するためのウェブ集客セミナー
会社勤めから起業するための7つのステップ