楽天のやらせ投稿で、利用者ではなく楽天が業者を提訴 | 定年起業のためのウェブコンサルティング

楽天のやらせ投稿で、利用者ではなく楽天が業者を提訴

やらせ

楽天市場でやらせ投稿をしていた業者に対し、楽天が訴訟を起こしました。

「楽天市場」で11万件やらせ投稿 表示順位を操作? 請負業者を提訴 (産経新聞) – Yahoo!ニュース

訴状によると、デ社は楽天市場に出店している121店との間で、商品の売買を装い、店側に好意的な評価を月150件ずつ投稿する契約を月額8万円で締結。少なくとも約11万4千件の口コミを書き込んだ、としている。

中略

楽天側は訴状で、商品検索した際の出店者の表示順の決定方法を営業秘密としながらも、「利用者の投稿数や評価内容は、順位決定の重要な要素になると信じられている」と主張。自作自演を禁じた利用規約に基づき一部の出店者との契約を解除せざるを得ず、売り上げが約1億4千万円減ったほか、出店者が払う広告収入にも約6千万円の損害が生じたと訴えている。

この訴訟で奇妙なのは、楽天がやらせ投稿をしていた業者を提訴した理由が、出店者が利用規約を破ったため契約解除を余儀なくされたということです。

出店者との利用規約は楽天と出店者の規約です。それを破ったのは出店者です。楽天が利用規約違反で出店者との契約を解除するところまではわかります。

その結果、楽天の売り上げが減り、広告収入も減ったということですが、その損害賠償はやらせ投稿をした業者だけでなく、出店者も負うべきです。出店者は契約解除で損害を負うので、それ以上の損害賠償は請求できないと考えたのでしょうか。

やらせ投稿で被害を受けるのは、やらせ投稿の好意的なコメントを信じて買い物をした利用者です。やらせ投稿を依頼した出店者にお客をとられたほかの出店者です。

このような利用者や出店者をまとめて訴訟を起こすならわかります。

自分が契約解除したことによる損害を賠償させるために、やらせ投稿をした業者だけを提訴するというのは何とも奇妙です。

好意的なコメントが店舗を優先的に表示させるのならば、やらせ投稿を見抜けないのは、楽天の問題です。

今回は同一パソコンから短時間に多数の会員IDでログインしていることから発覚しました。こんなのは簡単に見抜けます。

自分の評価方式のまずさを棚に上げて、やらせ投稿をした業者に多額の損害賠償請求をすることにより、他の同様にやらせ投稿をしている業者を退散させようという魂胆です。

利用者としては、コメントにはやらせやステマもあれば、悪意を持ったライバル店やモンスターカスタマーによるものもあることを十分に認識しておく必要があります。

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