「勝ち組は窓際族」という考えは人生をムダにします | 定年起業のためのウェブコンサルティング

「勝ち組は窓際族」という考えは人生をムダにします

窓際族

「窓際族」がネットで話題になっています。『【まんが】 新社会人よ、窓際を目指せ | オモコロ』というネットマンガが公開されたことがきっかけです。

何も仕事をせずにおしゃべりで勤務時間を過ごしている部署から話は始まります。「うちは年功序列だから、俺みたいないい加減なのも年収8百万はもらっている」という課長の話に感銘を受けた新入社員が、評価されずに解雇もされない働き方を目指すというストーリーです。

このマンガのストーリーをもとに、本気で「窓際族=勝ち組」と考えていると思われる声がネットにはあります。

一部の組織では、そのような人は昔からいました。遅刻はせずに職場に出ては来ますが、何の仕事もしません。一日中テレビを見ていたり、机に突っ伏していたりします。時間になれば帰ります。出世はしませんが、解雇もされません。

最低限の時間、職場にいるだけで、最低限の給与をもらえます。職場以外の場所に生きがいを見いだしているのかどうかはわかりません。

このような生き方が理想だと考える人がいるのでしょうか?平日の約8時間をささげて、最低限の収入は得られるとしても、時間を無駄にしているという意識は無いのでしょうか?

就活で苦労し、何とか就職できたから、あとは楽をしたいと思っている若者はいるのかもしれません。しかし、新入社員のときから、解雇はされないけれど評価もされない働き方をする社員が、年収8百万円まで昇給する会社があるとは思えません。

大学に行くのは遊ぶためと言って、受験勉強が終わった後は、最低限の労力で卒業に必要な単位をとろうとする大学生に似てはいます。しかし、そのような大学生はほとんど講義には出ません。ですから莫大な時間を浪費するわけではありません。講義を受けずにバイトなり遊びなりをしています。しかも、大学は4年間です。40年近くを過ごす職場とは違います。

現在、高給の窓際族がいる理由は、『働かないオジサンの給料はなぜ高いのか』に書いた通りです。新卒一括採用でピラミッド構造の組織では、年とともに組織の上位の人が余ってきます。

組織が大きくなれば、新しい部門も増えポストも増えますが、そうはなりませんでした。当時の組織は大きくなるばかりで、将来ポストが不足することまで考えていませんでした。

また、組織に若者を縛りつけるために、若い時は安い給与で働かせ、年を取ってから高給を払う戦略をとっていました。それが、現在の高齢者が働かないにもかかわらず、高い給与をもらっている理由です。

しかし、終身雇用制度は既に崩壊しています。誰もが倒産することはないと思っていた大企業も消えています。リストラをした企業は数知れません。

評価されない働き方でも、解雇されないという保証は、なくなったと考えた方が賢明です。働く時間は人生の多くの割合を占めます。それならば、働く時間を意味のあるものにすることが重要です。

勝ち組は窓際族と考えて、評価はされないけれども解雇もされないという働き方は、莫大な時間をムダにするだけでなく、もう過去の遺物になっています。

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