過去のビジネスモデルが概観できる|『ビジネスモデル全史』

ビジネスモデル全史

ビジネスモデル全史』では、歴史上どんなビジネスモデルが存在し、それはどうやって生まれてきたかを概観しています。いわばビジネスモデル革新の歴史です。

ここでは、そのポイントを紹介します。

1.近代ビジネスモデルの創世記(~1969年)

日本におけるビジネスモデル革新として、江戸時代の呉服店である越後屋の創業があります。それまでの常識であったつけ払い・値切り前提の高めの値段をやめ、現金掛け値なしを打ち出しました。さらに反物の切り売りやイージーメードである仕立て売りも始めました。

また、東京では金貨中心、大阪では銀貨中心と分かれていた問題を解決するため、東京・大阪間の送金や金貨・銀貨の両替にも乗り出しました。

米国では、大量仕入れをして仕入れ値を下げ、低価格で販売する大規模チェーンストアが台頭しました。

フォードは大量生産を志向し、できるだけ多くの機能を自社内で内製化する垂直統合モデルを進めました。それに対し、ゼネラルモーターズは、自動車が必需品からファッション品に移ることを見抜き、多ブランド化とファッション化を推し進めました。

ジレットは、本体ではなく、使い捨ての替え刃で儲ける安全カミソリを商品化します。これはその後、プリンタとインク、携帯電話と通話料、カメラとフィルムといった派生モデルを生み出しました。

広告料で収益を得る広告モデルは、テレビ・ラジオ放送局で始まりました。消費者はお金を払わずに、メディアコンテンツを楽しむことができる仕組みです。

ゼロックスは、複写機で従量課金モデルを考案しました。高い複写機を売らずに、1枚あたりの複写コストを徴収するというモデルです。ゼロックスは、複写機を売る企業ではなく、複写サービスを提供する企業となりました。

2.近代ビジネスモデルの変革期(1970~1990)

キヤノンは、複写機の感光ドラムなどの主要部品をカートリッジ式にして、簡単に交換できるようにしました。主要部品を、修理する主要部品から取り替える消耗品に変えたわけです。小型で安くメンテナンスフリーの複写機は、会社で1台から部門で1台、買われるようになりました。

トヨタは在庫を持たないリーン生産方式とピラミッド型の調達ネットワークである系列モデルを作り上げました。その結果、永遠に原価低減・品質向上努力を続けられるようになりました。

ウォルマートは多くの店舗を結ぶ独自の流通センターにより、ディスカウントストアを小都市立地でも儲かるものに変えました。

セブンイレブンは本部主導の加盟店システムであるフランチャイズシステムを作り上げ、小売りビジネスのシステム化を推進しました。

IBMは大型汎用コンピュータをファミリー化し、ソフトウェアや周辺装置の互換性をとることにより、メインフレーム市場を制しました。

任天堂はファミリーコンピュータでプラットフォーム・モデルを編みだしました。安い本体を普及させ、ソフトで儲けるだけでなく、サードパーティをも、ソフトの開発に活用するモデルです。

3.ITによる創造期(1991~2001)

デルはパソコンの受注生産方式の直販システムを作り上げ、大手企業・団体向けに売りました。その生産・出荷速度と集金速度は大きな優位性となりました。

アパレル業界では、GAPとベネトンが主要な機能を自社内で垂直統合しました。その結果、在庫日数が半減し、新商品の投入回数が増え、競争力を確保しました。

それに対してワールドやZARAは、売れたものを素早く再投入する仕組みを作りあげました。流行を先読みするのではなく、消費者の本当の好みを探って、それに合わせるようにしたのです。

ヤフーはインターネットの入り口となるポータルサイトで勝利しました。しかし、検索ではGoogleが優れたサービスを提供しました。Googleは検索キーワード連動型広告により、検索サービスのマネタイズに成功しました。

AmazonはITと物流に投資することにより、豊富な品揃え、的確なお奨め、迅速な配送により圧倒的な優位性を築きました。

4.巨人たちの戦いと小チームの勃興(2002~2014)

クリス・アンダーソンがフリーミアムを広め、自らの著書で実践しました。一部を無料で提供し、他のもので儲ける仕組みです。

クックパッドはユーザーが投稿した料理のレシピを検索できるシステムです。その収入は、有料会員からの会費が6割となっています。しかし、フリーミアムはゲーム以外ではほとんどが失敗しています。

Facebookはユーザーの属性をもとに広告を打てるメディアとなりました。しかし、親もやっているからイヤだと、10代のユーザー離れが始まっています。

任天堂は、ニンテンドーDSとWiiが爆発的ヒットとなりましたが、その後の商品がパッとしません。

DeNAやグリーの携帯電話向けゲームもヒットしましたが、スマートフォンの荒波に沈みかけています。

リアル店舗ではショールームのように実物を確認し、ネットの安い店から購入するショールーミングが増えてきました。その対抗としてメイシーズでは、リアルとネットを融合しました。すべての情報をネットとリアルで同期させます。その結果、オンラインでもリアルでも売り上げを伸ばすことに成功しました。

ザッポスはネット靴販売を感動提供サービス業にしました。目的はモノを売ることではなく、忘れがたい感動体験をしてもらうことです。

Appleの新製品はすべて後追いです。iPod、iPhone、iPadの前に、他社から同様の商品がすでに発売されていました。Appleは圧倒的な感性品質、すなわちデザインで勝利しました。

Appleは、プロセッサ、OSに独自のものを採用しています。その製品はバラエティが少ないかわりに、全体で統一がとれています。ハードウェアを高額にして、OSをはじめとする主力ソフトを無料にしました。

クアルコムは製造機能を持たない携帯チップメーカーです。技術開発に特化し、特許使用料もしくは外部製造によるチップ販売で収入をあげています。また、端末メーカーの開発支援サービスも行っています。

ARMもプロセッサのコア部分の設計図だけを提供する企業です。チップメーカーはそれを他の機能部品と組み合わせてチップを作ります。

AmazonはAWS(Amazon Web Service)をITインフラとして販売しています。高速で高品質で安く、使った分だけお金を払えばよいサービスです。必要に応じて、自動的に、いくらでも早く大きくできます。

クラウド・ファンディングにより、スタートアップ企業や小規模企業・団体が出資者を集められます。

クラウド・ソーシングでは、ホームページの作成などを発注できます。

3Dプリンターなどで試作品なども容易に作れるようになりました。

おわりに

過去から現在までのビジネスモデルを概観できます。過去のビジネスモデルは評価が定まっています。しかし、最近のビジネスモデルは、これからどうなるかわかりません。

本書を一通り読んでおくことにより、新しいビジネスモデルを考えるための基礎ができると思います。

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