ロジカルシンキングと水平思考(ラテラルシンキング)と二つの思考法があります。ロジカルシンキングは、課題に対し論理的に深く考察をすすめていきます。水平思考(ラテラルシンキング)はほかの解決方法はないか、新しい解決方法はないかと多方面に思考を広げていきます。
この二つは対立するものではなく、お互いに補い合うものです。この水平思考(ラテラルシンキング)の鍛え方について紹介します。
水平思考(ラテラルシンキング)の基本
水平思考(ラテラルシンキング)の基本は次の3つです。
1.前提を疑う
ふつうに考えるときは、常識の範囲内で考えようとします。また、手慣れたことを高速に処理するために、いつもと同じ方法で考えようとします。思考の癖ともいうべきものです。ラテラルシンキングでは、これらを取り払わなければいけません。
2.新しい見方をする
課題に対して新しい見方をします。有名な方法として「オズボーンのチェックリスト」があります。
(1)転用
他に使い道はないか?
改造したら使えないか?
違うものに使えないか?
他の場所に持っていったら使えないか?
(2)応用
他からアイデアを借りられないか?
似たものはないか?
真似はできないか?
過去にはなかったか?
まったく異なるカテゴリーのものから借用できないか?
(3)変更
一部を変更できないか?
色、動き、音、匂い、形、意味、包装などを変えたらどうなるかと考えます。
(4)拡大
大きくできないか?
物理的な大きさだけでなく、時間、頻度、強度、重さ、濃度などを増やしたらどうかと考えます。
(5)縮小
小さくできないか?
省略したり、分割したりできないかも考えます。
(6)代用
一部を代用できないか?
人、もの、材料、製法、エネルギー、場所などを代用できないかと考えます。
(7)置換
入れ替えできないか?
順番、配置、位置、時間、レイアウト、因果関係などの要素を入れ替えできないかと考えます。
(8)逆転
逆にすることはできないか?
前後、左右、上下、プラス・マイナス、役割、立場などを逆にしてみたらどうかと考えます。
(9)結合
合わせることができないか?
要素、目的、主張、アイデアなどを結合して考えます。
3.組み合わせる
真に新しいものは、ほとんどありません。人間の考えることの多くは、すでに2000年以上前に考えられています。後は、その組み合わせです。
水平思考(ラテラルシンキング)の鍛え方
さて、本題です。この「前提を疑う」「新しい見方をする」「組み合わせる」をどのように鍛えるかです。
1.集中訓練
もっとも有効な方法は集中訓練です。いつも同じ頭の使い方をしていると、脳はサボって新しいことを考えることをやめてしまいます。訓練用の問題集といえるものがいくつかあります。これらの問題を解答を見つけるまで考えます。解答を思いつかない場合でも、最低丸一日は考えて下さい。
2.考えながら眠る
上記で、最低丸一日考えると書いたのは意味があります。考えながら眠るということです。考えながら眠ると、脳は眠っている間も考え続けます。それ自体が訓練にもなります。朝起きたら解答が思い浮かぶことも珍しくありません。ラテラルシンキングを潜在意識に習慣づける効果があります。
3.気分転換
行き詰ったら気分転換をします。気分転換には、軽い運動が一番です。散歩が理想的です。散歩中に解答を思いつくことも多くあります。軽い運動以外ですとリラックスできる音楽を聴くこともいいと思います。音楽を聴くと解答が見つかるということはないですが、リラックスして頭の疲れを和らげる気がします。
まとめ
問題集でラテラルシンキングを集中的に訓練し、眠りながら考えて潜在意識に習慣づけ、疲れたら散歩で気分転換するということです。
最後にラテラルシンキングの問題集になるものを紹介します。どちらも同じシリーズで何冊か出ています。