あなたは、大勢の人の前で話すことが得意ですか?苦手な人も多いと思います。勝間和代さんの『稼ぐ話力 相手を腹落ちさせるプレゼンテーション術』は、お金を稼げるレベルの話力を身につけるための方法を説明しています。ここでは、共感を覚えた3点について紹介します。
相手の反応を見る
勝間さんは、25歳でマッキンゼーに転職した時には、プレゼンテーションをする際に、相手が理解しているかどうかにまったく興味がなかったそうです。
パソコンの画面を見たっきり、PowerPointの文字を読み上げるだけの人も、見たことがあります。読み上げるだけで精いっぱいで、聞き手の反応に気を配る余裕など、まったくないようでした。
私は、大勢の前でのプレゼンテーションのときに相手の反応に合わせて、話の内容を変えるということは、自然に身につきました。
私の場合は、仕事でコンピュータ関係のプレゼンテーションをすることが多いですが、相手の知識に合わせて話を変えなくては、話が通じません。
事前に、相手がどのような人なのか、相手のバックグラウンド、コンピュータに関する知識のレベルなどを確認して準備します。その上で、相手の反応を見ながら、話のレベルや詳しさを変えていきます。
私がまだ入社2年目ぐらいのときだったと思います。事前に、相手はコンピュータについては、何も知らない人だと聞かされて、説明に行ったことがあります。
ところが、話を始めるとすぐに、「その話は、おたくの会社の○○さんから聞いている。今日は別の話をしてほしい。」という指摘がありました。
そこで、用意していた話とは別の話をすることになりましたが、事前に入手した情報が間違っていると、相手にも無駄な時間を使わせることになります。
場数を踏む
私が会社に入り、プレゼンテーションを始めたときには、「あのー」や「えー」という言葉が多かったそうです。「そうです」というのは、自分ではわからず、数か月たってから、何人かの人から「あのー」や「えー」が少なくなったと言われたからです。
私の父は零細小売業の店主でしたが、大勢の前で話すことが、ひどく苦手でした。私が仕事で大勢の前で話をしていると聞いて、「若いころからやっているからできるんだな」と寂しそうに言ったことがあるのを覚えています。
大勢の人の前で話すプレゼンテーションは、慣れればまったく苦ではなくなります。緊張することもなくなります。場数を踏めば、急速に上達します。
大勢の前で話すことが苦手という人は、できるだけ機会を見つけて練習してください。苦手な人と一対一で話すよりも、はるかに簡単です。
資料は簡潔に
勝間さんは、プレゼンテーションのときの資料の量は、「3~5分に1枚」と書いています。1枚1メッセージで30秒で理解できなければならないとも言っています。
資料にはプレゼンテーションのポイントが書かれているべきです。
悪いパターンは、1枚の資料にやたらと情報を盛り込むことです。その資料をていねいに時間をかけて説明すればまだ良いですが、表面的に説明して次に進んでしまうこともあります。
すると、何が書かれているかわからなくなります。人によっては、話を聞かずに資料をじっくり読みだすかもしれません。
資料を見ただけで、内容が理解できるものであればましです。そのような資料は、資料を見ただけでは理解できないものが珍しくありません。
資料を見ても理解できず、説明は表面的にすまされてしまうと、聞く方にとっては不満足感が残ります。
おわりに
学校の授業でプレゼンテーションをやったのは、覚えているだけで、中学で1回、高校で2回です。プレゼンテーションのやり方や注意点についての話はありませんでした。自分の調べたことを皆の前で発表しただけでした。
大学では、卒業研究の発表以外にも数回ありました。卒業研究の発表では、3分に1回は聴衆を笑わせろとアドバイスされたことを覚えています。思わずニヤッとするようなウィットに富んだことを入れるように苦労しました。
プレゼンテーションをする機会は、会社に入り格段に増えました。特別にプレゼンテーションの方法を学んだ記憶はありませんが、場数を重ねるにつれうまくなっていった気がします。
『稼ぐ話力』は、大勢の前でのプレゼンテーションが苦手な人にはおすすめの1冊です。