先日、「会社勤めのときと起業した後で収入はどう変わりましたか?」
という質問を受けました。
若い人が起業するときは、最も気になることかもしれません。
若い人が起業するときは、会社から貰っていた給料と事業の収入が同じでは不足です。
会社は社会保険料の一部を負担しています。
事業には経費がかかっているはずです。
給料に会社が負担していた社会保険料を加えた金額と
事業の収入から経費を引いた利益を比較するのが妥当です。
事業の利益の方が多ければ、会社勤めよりも儲かっていると言えます。
しかし、60歳以降に起業するときは、考え方を変えなければなりません。
60歳以降にもらえる給料と比較する
一般に、60歳を越えると再雇用となり、給料も待遇も大幅に下がります。
60歳以降に起業したとき、比較すべきは50代のときの給料ではなく、
60歳以降に再雇用となった場合の給料です。
50代のときの給料と比較して、大幅に下がったと嘆くことはありません。
起業の目的を考える
定年前後で起業を考えている方は、お金に困っている方は少ないと思います。
もし、お金に困っているならば、
起業のような不確かな収入ではなく、
もっと確実な収入を得ることをお勧めします。
定年前後の方の起業の目的は、お金よりも定年後の生きがいだと思います。
すると、再雇用や再就職でもらえる給料と比較することが無意味です。
事業を継続できるだけの利益が得られるかどうかが大切になります。
それなりの蓄えがある方であれば、事業利益はゼロでも継続できます。
生活費分の利益がでれば、貯えが減ることはありません。
仕事の環境によっては、生活費の一部は事業の経費となります。
自宅で仕事をする人は、家賃や光熱費の一部は経費とできます。
起業すると実質的に生活費が下がることになります。
そのため、事業が多少の赤字で、生活レベルが同じでも、事業の継続は可能です。
さらに、年金や配当などの所得があれば、
事業が赤字の場合、損益通算すれば税金が戻ります。
結論
定年起業の収益を会社員時代の給料と比較してはいけません。
定年起業の収益の目標は、事業を継続できるだけの利益をあげることです。