日経ビジネス2013年3月4日号に「40歳定年幸せ」説が出ています。そこで主張されている長所と短所を整理します。
長所
1.スキルの陳腐化を避けられる
20年以上も通用するスキルは少なく、スキルの陳腐化を避けられます。
2.会社員のストレスが減る
会社員の多くは、変化を好まず、組織に居続けるために自分を抑えて過ごそうとするため、ストレスが発生します。
40歳定年は、例えて言えば「限られた大きさの船に、大勢の人間が乗り込み、数十年間の長期にわたって航海すること」から生じるストレスをなくします。
3.高齢者の認知症が減る
40歳前後で新しい環境への挑戦があるため、頭と体を動かすことになり、高齢になっても認知症のリスクが減ります。
短所
1.中高年の雇用調整に使われる
ミドルのリストラ策として、人材使い捨てを助長します。
まとめ
20代で身につけたスキルが、40歳以降も通用することはほとんどありません。特に私がかかわってきたIT産業では、まったくと言っていいほど変わりました。
変化を好まず、組織に居続けるために自分を抑えて過ごす人もいます。
それ以上に、長年同じ組織にいることにより、組織の中でしか通用しないことが、常識だと思い込んでしまう危険があります。また、組織の都合で、将来のキャリアに結びつかない仕事を、長期間強いられることもあります。
組織自身も、あなたが65歳になるまで存続する保証はありません。私が大学を卒業した時には、絶対につぶれないと思われていたいくつもの会社が、現在は存在しません。
定年は65歳に延長されますが、以上のようなことを考えると、個人としては40歳以降独立するつもりで、20~30代に自分のキャリアを計画しておくことがベストです。