対立した意見があるときに、どちらを信じたらいいかわからないと言っている人がいました。
そういう人のために、思うところを書き留めておきます。
自分の頭で考えよう
対立した意見があるときに、どちらを信じたらよいかわからないとは、どういう状況でしょうか?
私が思い浮かぶのは、例えばふたりの子供がけんかして、Aは「Bちゃんが先にぶった」と言い、Bは「Aちゃんが先にぶった」と言っているような状況です。
事実関係を確かめようにも、目撃者もおらず、物的証拠もないようなときに、二人がまったく対立したことを言っているときには、どちらを信じたらよいのかわからないとなります。
けんか両成敗という言葉はそのためにあるようなものです。
ところが、成長戦略やTPPが経済に及ぼす影響について対立した意見があるようなときに、どちらを信じたらいいかわからないというのはちょっと違います。
それは、自分の頭で考えなければいけません。
判断の基準
それでは、自分の頭で考えるときに、どのように考えるかを分析してみます。
事実関係
まずは、事実関係を確認することです。物理学の理論であれば、実験結果にあたります。いわば証拠です。
歴史問題など、事実関係のとらえ方がそもそもの対立の原因であることも珍しくありません。
例えば南京大虐殺があったかどうかです。このようなことは、証拠を積み重ねて調べるしかありません。
古い時代のことで、事実関係がはっきりしないこともあります。その時は、どこまでがはっきりわかっていることで、どこからが推測なのかをはっきりさせることです。
経済の問題では、この事実関係が存在しないため、議論が収束しません。過去によく似た事例はあっても、まったく同じではないため、同じことが言えるかどうかわからないということになります。
論理の正当性
次に、それぞれの理論の論理がきちんとなりたっているかを考えます。
よく知られている理論などでは、論理が成り立っていないことはまずありませんが、ネットにころがっている理論などでは、論理的になりたっていないものもあります。
論理の飛躍はないか、原因と結果の整合性はとれているかなどを確認します。
他の情報との整合性
最後は、すでに明らかになっている情報との整合性です。
物理学であれば、実験結果との整合性です。
すでに証明されている理論と矛盾していれば、怪しいと考えられます。しかし、相対性理論や不確定性原理のようにそれまでの常識を覆す理論もあります。
その場合には、それまでの常識との条件の違いなどを確認します。
まとめ
最終的には事実や実験結果とあっているかどうかで、その理論の妥当性が判断されます。
判断を人にゆだねて頭から信じ込むことのないように、常に自分の頭で考えるようにしましょう。
さもないと世の中がとんでもない方向に進んで行ってしまうかもしれません。