Grit(やり抜く力)って昔から過大評価されていなかった? | 定年起業のためのウェブコンサルティング

Grit(やり抜く力)って昔から過大評価されていなかった?

努力

最近、「Grit」という言葉を耳にしました。

成功者が持つ「グリット」才能でも努力でもない第3の要素とは – ログミー

中学校の成績が良い生徒は、IQよりもGritが高いそうです。

「ウェスト・ポイント・ミリタリー・アカデミー(アメリカ、ウェスト・ポイントにある軍事教育学校)」で、厳しいトレーニングに耐えて入隊する人もGritが高いそうです。

他の調査でも、成功を収める人はGritが高い人だったそうです。

Gritとは、「物事に対する情熱であり、また何かの目的を達成するためにとてつもなく長い時間、継続的に粘り強く努力することによって、物事を最後までやり遂げる力」と定義されています。

一言で言えば、「やり抜く力」でしょうか。

私はこれを聞いて既視感に捕らわれました。

40~50年ほど前に流行ったスポーツ根性ものと言われた漫画です。

情熱を持って、目的を達成するまで、長い時間、継続的に努力すれば、不可能なことは無いかのように描かれていました。

確かにGritが高い人は成功する可能性が高いと思います。

しかし、Gritがすべてではありません。その分野における適性があり、長い期間努力すれば成功する可能性が高いということです。

誰もが長い間研究すればノーベル賞を取れるわけではありません。誰もが長い間訓練すればオリンピックで金メダルを取れるわけでもありません。

Gritを過大に重視することは、心身を蝕むことにもつながります。

睡眠時間を削って働き過労死する人、練習のし過ぎで体を痛めるスポーツ選手など、過度の努力は心身を破壊します。

努力が本人の自由意志で行われるならば、まだましです。

そうではなく、会社の経営者が従業員に長時間労働を強いたり、コーチや監督が選手に過度な練習を強いたりした結果、心身を壊すことは許されることではありません。

40~50年ほど前にスポーツ根性ものが流行ったのは、高度成長経済の影響があったと思います。頑張ればいくらでも成長できるように思えた時代でした。

その後の石油ショック等を経て、日本ではこの呪縛から逃れた人が増えてきました。

スポーツ界でも、訓練は選手の才能を引き出すもので、訓練すれば誰でも一流選手になれるわけではないことは、常識になってきました。

Gritは重要ではあるけれど、万能ではないことを忘れてはいけません。

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