AppleはMac OS Xの最新版Marvericksを無償化し、iWorkも新規のハードウェアを買えば無償でついてくるようになりました。
Microsoftも米国でOffice for iPadを無償でダウンロードできるようにし、スマートフォンや小型タブレットのWindowsを無償にしました。
ソフトウェアを無償で提供する動きが加速されているようです。
ソフトウェア有償化の歴史
コンピュータがはじめて売り出されたころは、ソフトウェアはハードウェアを動かすための付属物でハードウェアについてきました。
ソフトウェアが複雑になり、種類も増えてくると、開発費用もかさみ、ユーザーによっては使わないソフトウェアも出てきます。
すると、ソフトウェアの開発費用をハードウェアにのせることは不適切になり、ソフトウェア単体で価格がつけられるようになりました。
特に日本では、目に見えないものにお金を出すことに抵抗がありました。粘り強く交渉しながら、ソフトウェア単体にお金を出してもらえるようにしていきました。
ソフトウェア無償化の動き
現在の動きは、これに逆行する動きです。
オープンソフトとしてソフトウェアを無償で開発する動きはありましたが、それはビジネスとはまた別の話です。
彼らにとっては、ソフトウェアを開発した名誉がモチベーションとなります。
Appleは、ソフトウェアを無償化することにより、ハードウェアを売ろうとしています。
Googleの各種サービスは無償で提供されています。Androidも初めから無償でした。
Facebookは無償で利用できます。アプリも無償で提供されています。
GoogleやFacebookは広告を売るために、ソフトウェアを使っています。
Microsoftは、方針が見えにくい面がありますが、サービスを売ろうとしているように思えます。
Amazonは、Kindle端末を安価に売っています。電子書籍を売るためです。今後も物品やデジタル・コンテンツ、さらにクラウド・サービスを売るためにソフトウェアを使っていくことでしょう。
ソフトウェアをパッケージとして単体で売る動きが、急速にしぼんでいます。すでに市場が飽和しているということです。
これからは、自社のビジネスのためにソフトウェアをいかに使っていくかが重要になってきます。
ソフトウェアを自社で開発せず、外注することの多い日本企業は、ますます米国に引き離されることになりそうです。
他社の業務システムを請負で受注し、パートナー会社に外注する日本のソフトウェアベンダーも同様です。