2000年問題でわかる先延ばしの弊害 | 定年起業のためのウェブコンサルティング

2000年問題でわかる先延ばしの弊害

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2000年問題に関するエントリをネットで見ました。

2000年問題って結局なんだったの? はてな京都本社で聞いてきた | i:Engineer

2000年問題とは

2000年問題とは、コンピュータにおいて西暦の下2桁だけで年を処理していた問題です。1999年から2000年になるときに99から00になるため、順序の逆転が発生し、不正処理を引き起こす可能性がありました。

西暦の下2桁だけで年を処理していたのは、昔のコンピュータは記憶媒体が非常に高価であり、記憶容量を節約するためもあります。しかし、プログラムを設計するときに2000年までは使わないだろうと考えていたことも否定できません。

2000年問題のときは、OSからミドルウェア、アプリケーションプログラムまで、稼働している、あるいは稼働する可能性のあるすべてのプログラムについて、確認・修正・テストを行わなければなりませんでした。

設計書があったとしても、設計書が正しい保証はありません。プログラムをすべて確認しなければなりません。

命名規則がきちんとしていれば、年を処理しているところを見つけることは比較的簡単です。しかし、中にはとんでもない名前を、年を意味する項目につけている場合もあります。

もれがあれば、そこが重大な障害を引き起こす可能性があります。もれがないように、すべてを洗い出す作業は想像以上に大変です。

中には、稼働しているプログラムのソースプログラムがなくなっているところもあります。そのプログラムを修正する場合には、同じプログラムをもう一度作らなければなりません。

早い時点から対応していたところはなんとかなっても、対応を先延ばしにして、ぎりぎりに対応したところは大変だったはずです。

2000年の年初には、いくつかのトラブルが報道されていました。

2000年問題は過剰反応だったのか?

2000年問題で大きなトラブルが発生しなかったとすれば、それはきちんと対応したためです。もし、何もしていなければ、何が起きたかわかりません。

拍子抜けしたという人もいますが、事前の警告が過剰だったわけではありません。

2014年4月12日付朝日新聞の経済気象台に次のような記載がありました。

思い起こせば15年前。2000年になるとコンピュータがおかしくなるので、事前に手当をしないといけないというIT会社の「脅し」で、勤め先の会社は何億円の出費を余儀なくされた。

年が明けて元旦。何事もなく、時間は流れた。「金返せ!」と叫びたくなったが、担当者を責めても仕方ないと泣き寝入りした。

この方へのIT会社や周りの人の説明が不十分だったのだと思います。この方の会社で何事もなく済んだのは、IT会社がきちんと対応したためです。

難しいプロジェクトを予定どおりに完了させるとあまり評価されず、トラブルを起こし徹夜を続けてリカバリーすると、高く評価されることはよくあることです。

元号問題

日本では、1989年1月に昭和から平成に変わりました。このときも元号を使っているコンピュータシステムは、処理を見直さなければなりませんでした。

昭和の時代に西暦下2桁を使っていたとしても、元号の変更対応と合わせて修正したところは、2000年問題は発生しませんでした。

昭和100年問題

昭和から平成に元号が変わったとき、コンピュータの中の処理は昭和のままにして、外部に出す帳票類だけを平成の表示に変えたところがあるそうです。

該当の部分では、2000年問題は発生しませんでした。

しかし、2025年に昭和100年になります。おそらく昭和の年は2桁しか確保していないと思います。2025年までに、コンピュータ処理を見直さなければなりません。

おわりに

業務で使うプログラムは意外と長く使います。10年ぐらいはすぐに経ちます。問題の先延ばしもひとつの手段ですが、対応しなければならないときが来ることを忘れてはなりません。

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