最近、バージョンアップを相次いで行いました。iPhone5のiOS7、MacBook Pro RetinaディスプレイモデルのOS X Mavericks、Windows8.1、WordPress3.7.1といったぐあいです。どれも無償でした。
バージョンアップで一番気を使うのは、失敗したときのトラブルです。データのバックアップは必須です。トラブル時の影響が大きなものは、トラブル情報が十分に出てきてから実施します。
私の場合は、MacとiPhoneは使えなくても何とかなり、早く新しいOSを確認したい気持ちが勝ったため、リリース後早めにアップデートを実施しました。WindowsとWordPressは、トラブル時の影響がそれなりに大きいのでリリース後十分な時間をおいて実施しました。WordPressは、3.7がリリースされてしばらく待っていたら、3.7.1がリリースされたので、さらに待つことになりました。
iPhone5のiOS7へのバージョンアップを除いて大きなトラブルはありません。iOS7だけは、アップデートの途中で止まってしまい、リカバリーを行いました。
iOS7は、その後のバージョンアップでも同じ現象が発生します。毎回、アップデートが途中で停止するのでリカバリーを行っています。原因はわかりません。既にiOS7.0.3がリリースされていることからもわかるように、不具合の多いOSなのかもしれません。
iOS7を除いては、大きなトラブルはないので、最近のバージョンアップは品質が安定しているような気はします。
バージョンアップが無償であることも、最近の変化です。WordPressはもともとすべて無償です。Windows8.1がWindows8からのバージョンアップに限り無償なのは、Windows8.1が不具合の修正版の位置づけだからだと思います。
iOSはハードウェアに添付されてリリースされ、その後のアップデートは、無償でできます。MacもOS X Mavericksから同じ方式にするようです。これについては、いくつか記事を書きました。
Mac OS X Mavericks無償化へのMicrosoftの対抗策
Mac OS X Mavericks無償化のメリット・デメリット(ユーザーとAppleのそれぞれの立場から)
現時点で、Microsoftは何の対抗策も出していません。
しかし、OSの無償化は時代の流れに逆行しているような気がします。昔のコンピュータでは、ソフトウェアはハードウェアの付属物でした。その後、ソフトウェアの機能が向上し、開発にも莫大な費用がかかるようになりました。
そこで、ソフトウェアの対価をハードウェアに上乗せするのではなく、正当な対価を独立して請求するようになってきました。その過程においては、たいへんな苦労がありました。特に日本においては、形のないものにお金を払おうとしない風潮が顕著でした。
苦労の末、正常な価格体系にしたものをAppleは再び破壊しているように思えます。Appleは、ソフトウェアの費用をハードウェアに上乗せしたため、財務上もハードウェアの売り上げの一部を deferred revenue として計上することで対応しています。これは、不自然な対応だと思います。
また、独占禁止法でも問題があるように思います。OSを実質的に無料にすることにより、ソフトウェア専業の会社に対して、不当に優位に立っていると思います。