Mac OS X Mavericks無償化のメリット・デメリットを、ユーザーとAppleのそれぞれの立場からまとめました。
1.ユーザーにとってのメリット
(1)アップグレードが無料
新しいOSの機能が無料で使えるということです。
(2)同じ環境の人が増える
無料ですから多くの人が最新のOSにアップグレードします。同じOSを使う人が増えますから、情報の共有ができます。新しいTips、トラブル情報などの共有範囲が拡がります。
(3)Mac向けソフトウェア開発が楽になる
Mac向けのソフトウェア開発をする人にとっては、最新のOSだけをターゲットにしても大きな問題にはなりにくくなります。古いバージョンでのテストを省略することにより、開発が楽になり、開発費用も減ります。
2.ユーザーにとってのデメリット
(1)ハードウェアが高くなる
Appleは、新しいOSの費用をハードウェアの売上から回収することになります。その分、ハードウェアが高くなり、初めてMacを買う人にとっては支出が増えます。
(2)古いMacの陳腐化がすすむ
最新OSにアップグレード可能なMacを持っている人は、ほとんどがアップグレードすることになり、古いバージョンのOSを使う人が減ります。新しいソフトウェアも最新バージョンだけでサポートされることが増えると思います。その結果、最新OSにアップグレードできない古いMacの陳腐化が早まることになります。
3.Appleにとってのメリット
(1)ユーザーの囲い込みができる
OSのアップグレードを無料にすることにより、アップグレード可能なMacを持っているユーザーはよろこび、Appleのファンとなります。
(2)OSのメンテナンスが楽になる
多くのユーザーは最新OSにアップグレードしますから、最新OSのメンテナンスに注力できます。古いOSの不具合解消が遅れても、不満はあまり大きくなりません。
(3)古いMacの買い替えを促進する
多くのユーザーが最新OSにアップグレードすることにより、古いOSを使う人は肩身が狭い思いをします。新しいソフトウェアが最新のOSでしかサポートされないこともあり得ます。互換性などで、現実的な不便を感じることもあるかもしれません。
そのため、最新OSへのアップグレードができない古いMacのユーザーの買い替えを促進する効果があります。最新OSがサポートするMacは、Appleが決めています。Appleは、どのMacの買い替えを促進するかをコントロールできます。
4.Appleのデメリット
新しいOSへのアップグレード費用が入らなくなりますが、その分、新しいMacの価格を高くしているはずです。OSのアップグレード無償化は、最終的にはAppleの利益になると判断しての決断でしょうから、デメリットはないのでしょう。