仕事をするときは、いくつもの仕事を並行してこなしていくことがふつうです。私は、はじめからそうやって働いていましたから、それが当たり前だと思っていました。上司から不定期に、「これいついつまでにやっといて」と仕事を指示され、自分で計画をたててこなしていきました。
でも、これが苦手な人もいます。私も大きなプロジェクトの中で、プログラミングだけを一定期間やったことがあります。だいぶ楽でした。不定期に納期の異なる仕事が飛び込んでくるのは、それなりに難しいことではあります。
そこで、仕事をマルチタスクでこなすためのコツをまとめておきます。
やるべきことを書き出す
まず、やらなければならないことをすべて書き出します。やるべきことの全体を目で見られるようにします。記憶に頼らないだけで楽になります。目で見ることにより、やらなければいけないことで頭の中が混乱することを防げます。
ここには、自分が直接やらずに人に頼む仕事も含めます。自分の責任で遂行する仕事をすべて含めます。
また、急ぎでない仕事も書き出します。『7つの習慣』の「緊急ではないが、重要な仕事」
を実行するためです。
優先順位をつける
次に、やるべきことに、すべて優先順位をつけます。そのためには、いつまでにやらなければならないという納期と、どのくらいの時間がかかるという見積もりが最低限必要です。
優先度に従って、仕事の順序の計画をたてます。人に頼む仕事はすぐに頼みます。準備が必要な仕事は準備も計画にいれます。
飛び込みの仕事が入ったら、すばやく優先順位を決めて追加するだけです。
人に頼む仕事の状況は自動的に入手できるようにする
人に頼む仕事の状況は、自動的に入手できるようにしておきます。こちらから聞かないと分からないようではいけません。
例えば、部下に指示する仕事であれば、結果を必ず報告させるようにしておきます。時間のかかる仕事であれば、定期的な進捗報告が必須です。
進捗は定量的にさせ、その確証が得られることが必要です。大きな仕事であれば、この報告の仕方を決めることに時間をかける意味があります。
初めての仕事はすぐに手をつける
問題になるのは、やったことのない仕事です。どのくらい時間がかかるか見積もりができません。経験者がいれば経験者に聞くことができます。経験者がいなければ、とにかくやってみるしかありません。
やってみて新たな問題が見つかることもあります。初めての仕事は、全体の見通しがつくまで優先的に進めなければいけません。
待ちの状態になったら次の仕事を始める
仕事をしていると、誰かの返事待ち、作業完了待ちといった状態になることがあります。そのようなときには、次の仕事に手をつけます。
待っていた返事が来たり、作業が完了したりした場合には、前の仕事に戻り、自分の作業を続けます。
コンピュータで多重処理をするときと同じような状態になります。マルチタスクが苦手な人はこれができません。
コツは意識をすばやく切り替えることです。また、記憶しようとしてはいけません。必要なことはすべて書き出します。記憶しようとすると、切り替えたときに混乱します。
おわりに
基本的には、やるべき仕事を書き出し、優先順位をつけて、計画的にこなしていくだけです。
マルチタスクが苦手な人は、割り込みされることを嫌います。確かに割り込みが入ると効率は落ちます。
しかし、そこは慣れです。割り込みの仕事が入ったら、すばやく頭を切り替え、優先順位だけ決めたら、元の仕事に戻ります。新しい仕事が最優先であれば、その仕事をはじめます。
また、特に集中してやりたい仕事には、特別な時間を割り振ることも有効です。そのときは、メールを見ないことはもちろん、電話を受け付けないようにしておくことも必要です。
タスク管理ツールとして、さまざまなツールがあります。しかし、ツールは重要ではありません。パソコンがない時代、私はメモ用紙に1枚1件で仕事を書きだし、優先度順に並べて使っていました。