パワハラと言えば、上司から部下への被害が普通ですが、逆に部下から上司へもあるそうです。また、正社員以外から正社員へもあるそうです。
経験豊富な部下のところに他部門から上司が異動となり、同じ仕事をしている職場で発生します。
「上司のくせに使えねえな。お前なんかやめちまえ」
こんな具合に、少しでもミスをすると、部下から口汚く怒鳴られたりします。経験豊富な部下が働かないと業務が回らないため、機嫌を損ねないように耐えたりすると発生します。屈辱感からうつ状態になる人もいます。
部下が経験や能力で上司を上回っていて、上司が気が弱く、部下が気が強い場合に発生しやすいようです。現場の働き手の結束力が強い職場では、「現場」対「管理者」という対立関係が発生しやすいこともあります。
しかし、逆パワハラが発生する原因はそれだけではありません。上司が名ばかり管理職であるためです。部下と管理職が同じ仕事をすることが、名ばかり管理職の証拠です。
通常、管理職の仕事は、仕事の条件や制約事項を関係者と調整し、仕事のスケジュールや費用、要員などの計画を立て、実行することです。そこには、要員の手配、調達なども含まれます。
管理職がこのような本来の管理業務を行うならば、逆パワハラはありえません。逆パワハラをやるような部下は、仕事を干され、評価も最低になります。正社員以外であれば仕事を失います。
逆パワハラを行う部下が非常に高いスキルと経験を持っているため、仕事を干したり、やめさせたりできない場合もあるかもしれません。それも、他の要員が育つか、見つかるかするまでの期間です。
逆パワハラが発生するのは、上司の経験が不足していたり、気が弱かったりすることは、根本的原因ではありません。根本的原因は、上司が名ばかり管理職であり、実質的な権限を持っていないためです。すなわち、名ばかり管理職をつくる会社の責任です。