多くの日本企業が業績評価制度を導入してきましたが、あまりうまくいっていません。さまざまな理由がありますが、人材育成の面から考えてみました。
人材育成と子供の教育は、人を育てるという意味でよく似ています。
親が、子供の行動の結果だけしか見ないとすると、子供は結果にこだわり、場合によっては、結果をごまかすようになります。
結果が出せないと、ストレスにさいなまれ、意欲をなくし、投げやりになり、向上心をなくします。
子供の教育には、結果よりも成長のプロセスを見ることが大切です。
同じことが、企業の人材育成でもいえます。業績評価を導入した企業は、結果により従業員を評価します。
本来であれば、評価結果から何を学ぶべきか、業績を上げるためには何をしなくてはならないかを考えなければなりません。
ところが従業員は、結果にこだわり、場合によっては結果をごまかすようになります。この例が、オリンパス等で明らかになった粉飾決算です。
結果を出せない従業員は、ストレスにさいなまれ、意欲をなくし、投げやりになり、向上心をなくします。その結果、企業の業績はさらに悪化します。
業績評価を導入し、従業員の評価を結果だけで行った企業は、不正が横行し、従業員のモチベーションを下げることになっています。
業績評価を導入し、結果で判断するとしながら、実際にはその他の要素を入れて評価していると、ますます従業員は不信感を募らせます。
このあたりが、業績評価を導入したにもかかわらず、うまくいかず、業績を悪化させた多くの企業の実態だと思います。
次の本を読んで、こんなことを考えました。