新しい働き方のヒント|『稼ぐ力』

稼ぐ力

 日本企業は海外に進出したといっても、世界レベルでの、組織、採用、人事の面で最適化ができていません。強力なリーダーがいる会社では後継者が育たず、昔からの会社では経営者が内輪もめをしています。

 このような日本において、どのように「稼ぐ力」を鍛えていくか、そのヒントが得られます。ここでは、私の印象に残った3点を紹介します。

1.会社人生

 本書では、会社人生を3つのフェーズに分けています。第1フェーズは会社から与えられた仕事をきちんとこなし、結果を出すフェーズです。30歳くらいまでとしています。

 第2フェーズは管理職として、部門の課題を見つけ解決するフェーズです。3つの異なる分野を5年ずつ経験して、45歳くらいまでとなります。

 第3フェーズには、3つの役割があります。「全く新しい事業を立ち上げる」「ダメな事業を立て直す」「うまくいっている会社の中核事業をさらに伸ばす」の3つです。このどれかを5年経験して50歳くらいになります。そして優秀な人は役員になるとしています。

 日本の会社では、第1フェーズが長すぎるかもしれません。しかし、本人の心がけ次第では、20代後半からでも第2フェーズの仕事はできます。

 問題は第2フェーズにあります。部門の課題を見つけ解決しても、そこに塩漬けにする人事制度があります。課題の発見や解決が、まったくできない人の処遇の問題もあります。

 本書でも指摘されているように、管理職の能力評価の基準はあいまいです。本人の能力とは関係なく、たまたまおかれていた部門の商品がヒットするとか、かわいがってくれた上司が出世して引き上げられるということで決まります。

 これは、会社にとっても他の社員にとっても悪い影響を与えます。日本企業の発展のためには、管理職の能力評価基準の整備が必要です。

2.選択と集中

 バブル崩壊以降、日本企業は「選択と集中」をしてきました。しかし、電機メーカーや半導体メーカーの業績は思わしくありません。その原因を商品の選択と集中をしたためと分析しています。商品の選択と集中をしたために、売上も減り、人も減り、事業が縮小しただけになりました。

 機能の選択と集中が必要だとしています。研究開発・設計・製造・販売・サービスなどの機能で選択と集中を行うべきだという主張です。Appleは、製造を台湾の鴻海に委託し、両社ともに成功しています。

 人件費の高い日本で、製造を国内に残していることが、日本の製造業がダメになった原因という指摘は納得がいきます。ただし、雇用の流動性のない日本で、製造だけを海外にだすことは容易ではありません。

3.偏差値

 偏差値が日本をダメにしたと断じています。日本人は学生時代に偏差値により、自分の学力が全体のどの位置にあるのかを知らされます。偏差値により自分の「分際」「分限」「身のほど」をわきまえさせられます。その結果、若者は自分の「限界」を意識して、それ以上の大志や気概を持たなくなってしまったと主張しています。さらに、高い偏差値を取った人は、その後の努力をしなくなるとしています。

 確かにそのような面もあるとは思います。しかし、トップクラスの人は、「限界」を意識することはありません。その後の努力をするかどうかは人によります。特にトップクラスの人には、学習そのものが好きな人や、最上になろうという欲望の強い人が多くいます。

 さらに学校で示される偏差値は、入学試験の得点の偏差値にしか過ぎないことは、みんな知っています。入学試験で高い得点を取る能力が、生きていく上での能力とそれほど高い相関を示さないことも常識です。

 偏差値が日本をダメにしたという視点は斬新ですが、それほど日本人全体に大きな影響を与えているとは思えません。

まとめ

 今後、日本で稼いでいくための力についてヒントがたくさんあります。英語は、英語のニュアンスを理解し、駆け引きができない限り、世界で通用するレベルではないという指摘は、納得がいきました。

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