成果主義がうまくいかない理由

ビルディング

 日本企業で成果主義が叫ばれて久しくなりますが、評判は芳しいものではありません。なぜ、成果主義はうまくいかないかを整理しました。

1.評価基準

 成果主義で主に使われるのは目標管理制度です。はじめに目標を決め、その目標が達成されたかどうかで判断します。

 すると誰もが考えるのは、目標を低めに設定し、それを達成することで成果を上げたと見せかける方法です。目標は上司との話し合いで決めることになりますが、上司が仕事の内容をきちんと理解していない時にはうまくいきます。他部門から異動してきたばかりの上司のときは、チャンスとなります。

 逆に、上層部から実現不可能な目標値を押しつけられる場合もあります。上層部としては、パラダイム変換を起こすようなアイデアを期待して、あえて実現不可能に見える目標値を設定する場合もあります。

 うまく斬新なアイデアが出てきて目標を達成できれば良いですが、達成できずに悪い評価をされた時には、やる気を失います。実現が難しい目標であったからと、達成できなくても良い評価をされた時には、評価制度そのものへの信頼を失います。

 基準がぶれる場合もあります。あるときは、難しい仕事をアサインされた人が、目標を達成できず悪い評価となります。上司が変わると、難しい仕事で目標を達成できなかった人でも、非常に頑張ったと良い評価になることもあります。

 当人だけでなく、周りの人も見ています。こうなると、評価制度を誰も信頼しなくなります。また、もともと評価基準を決めにくい職種もあります。

 すると全体的な判断で評価することになります。すると人間関係がものをいいます。気配りがきく、おべっかがうまい人が高い評価を受けがちです。人はどうしても、かわいい部下に良い評価をすることになります。

 成果主義導入に伴って、成果にしたがって評価の差を大きくするようになっています。ところが、評価の基準そのものがいい加減であり、そのいい加減な基準にしたがって大きな差をつけることにより、不満はますます大きくなってきます。

2.評価基準と企業目標の乖離

 仮に、妥当な評価基準があったとしても、それが企業目標と合わなくなる場合があります。

 見えやすい成果と見えにくい成果があると、見えやすい成果に力を入れてしまいます。長期的成果と短期的成果がある場合には、短期的成果に目を向けるようになります。

 見えにくい成果、長期的成果が、ないがしろにされます。企業目標にとっては、見えにくい成果や長期的成果が重要なことはよくあります。

3.足の引っ張り合い

 プロジェクト全体の費用が決まっている中で、予想外の費用が発生したような場合、社内の部門間で争いが起きます。どちらの責任でその費用を負担するかという問題です。自部門の責任にならなければ良いとばかり考え、予想外の費用の発生を食い止めることに気が回らなくなります。

 また、自分のノウハウを社内で共有するということがなくなります。部下の育成もおろそかになります。同僚がライバルになります。嫉妬による社内の足の引っ張り合いも激しくなります。自分あるいは自部門の利益にならないことには、協力しないという空気が育まれます。

4.結果のごまかし

 さらにひどくなると、結果をだすために、ごまかしや不正を働く者もでてきます。上司の不正にものを言える部下はあまりいません。社内には、ごまかしや不正が蔓延することになります。

5.ストレス過多

 目標を達成できないことが続くと自信を失います。仮に、自分は成長しているにも関わらず、目標がそれ以上に高くなっているために目標達成ができなくても、なかなかわかりません。どんなに頑張っても結果がでないとストレスがたまります。

 また、社内のあつれき、足の引っ張り合い、ごまかしや不正を黙っていることに耐えられなくなり、精神的に病んでくる人も増えてきます。

まとめ

 会社に役に立つ人を高く評価しようと導入される成果主義ですが、妥当な評価基準の設定は極めて難しいものです。それ以外にも、さまざまな問題が報告されています。

 公平な評価というものがおよそ不可能であるならば、個別の評価で大きな差をつけるのではなく、さまざまな観点から長期的に評価するしかないのではないかと思います。

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