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Windows 10へのアップグレードが無料だというニュースも驚きをもって迎えられましたが、さらに驚くべきニュースが流れてきました。
何と、違法な海賊版からのアップグレードも無料にするということです。
Microsoft tackles China piracy with free upgrade to Windows 10 | Reuters
この記事によると、中国で使用されているWindowsの4分の3が違法な海賊版です。それが分かっていて、なぜ、Microsoftは無料でアップグレードに対応するのでしょうか。
Windows 10の無償アップグレードが海賊版に対応しない場合
Windows 10の無償アップグレードが海賊版に対応しない場合、海賊版の利用者は古い海賊版のWindowsを使い続けることになります。有料で正規のWindows 10にアップグレードするとは思えません。
海賊版のWindows 10が手に入れば、アップグレードするかもしれません。しかし、Windows 10へのアップグレードは、Windows 7以降であれば、Windows 10のリリース後1年間は無料でできます。海賊版のWindows 10を作る人は現れないかもしれません。
いずれにせよ、Microsoftにお金が入ることはありません。
海賊版でも無償アップグレードに対応した場合
海賊版でもWindows 10への無償アップグレードに対応すれば、Windows 10の動作条件に適合するパソコンであれば、アップグレードされる確率が高まります。
それだけWindows 10のシェアが増えることになります。Windows 10のシェアを増やすことがMicrosoftのねらいです。
海賊版の無償アップグレードに対応してもしなくてもMicrosoftの売上も原価も変わりません。それならば、MicrosoftはWindows 10へのアップグレードを無料にして、シェアを伸ばそうと考えても不思議ではありません。
おわりに
Windows 10は、おそらくマザーボードにひも付けされて管理されます。「Windows 10はデバイスが壊れるまで最新版を利用可能」というのは、同じマザーボードを使い続ける限りの意味になると思います。
自作パソコンでマザーボードを替えたらWindows 10 も買うことになるはずです。もっとも主要メーカーのマザーボードはWindows 10のライセンス付きで売られることになると予想しています。
すると中国で売られる新しいパソコンもほとんどがWindows 10の正規ライセンス付きになり、海賊版のWindowsもなくなっていきます。
これは基本的にMacと同じです。AppleがMavericksへのアップグレードを無償にすると発表した時から、Microsoftでも考えていたことです。
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