マーケティングの基本がわかる!『マーケット感覚を身につけよう』 by ちきりん

マーケット感覚を身につけよう

ちきりんさんの『マーケット感覚を身につけよう—「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法』を読みました。ちきりんさんは、マーケット感覚を「誰にとってどんな価値があるのか、見極める能力」ととらえています。

ちきりんさんの考え方を元にしながら、私の考えをまとめてみます。

顧客の利用場面を想像する

マーケット感覚を磨く方法は、顧客の利用場面を想像することです。海外出張するビジネス客の例が紹介されています。

国際線のビジネス客は海外で人と会うことだけが目的とは限りません。海外の人と打ち合わせすることが目的だととらえると、テレビ会議システムが航空会社の競合になります。

私の携わってきたコンピュータシステムの開発でも、顧客の目的や利用場面を考えないと失敗をすることがあります。

コンピュータシステムの開発目的は、通常は業務の効率化です。しかし、何も考えずに効率化だけを考えて開発すると、お客様がいい顔をしないことがありました。

よくよく話を聞いてみると、お客様の真の目的は業務の効率化ではなく、最新のコンピュータシステムを使っているという自社のブランディングでした。かっこよくコンピュータを使っているところが、外部から見えなくては意味がないのでした。

価値

マーケットとは価値の交換をする場です。買い手がいなくては、価値がありません。誰にとってどのような価値があるかを見極めることが大切です。

必需品は品不足になれば価値が上がりますが、贅沢品はそうとは限りません。

誰にとってどんな価値があるかを見極めるには、顧客の利用場面を想像することが有効な方法です。

ネットが市場化を加速する

インターネットの普及は、距離と時間の壁をなくしました。ほとんどの市場は世界中が相手です。インターネット普及前の考え方は、通じなくなっています。

インターネットでなくならない壁には、言語と物流の壁があります。しかし、人工知能の発達は言語の壁をなくすかもしれません。技術の進歩が物流の壁も低くします。

よいものを作れば売れる?

私が働き始めた35年以上前から、「よいものを作れば売れる」と考える人は、マーケット感覚がない人だと言われていました。そこには顧客の視点がなく、技術者の視点だけからとらえた「よいもの」がありました。

ちきりんさんの考えでは、それに加えて、どんなによいものでも、供給者が多すぎると儲からないという視点が加わっています。

最近のネット市場では、よいものどころか、偽物や粗悪品を売りつけようとする人がいます。それに対し、よいものであれば売れると考えることもあります。しかし、正確には、顧客に価値のあるものであれば売れると言うべきです。

需給バランス

マーケットでは需給バランスが大切です。どんな難関資格を取得しても、供給が過剰になれば職を得ることが難しくなります。

しかし、英語に関してはちきりんさんと私は考えが異なります。ちきりんさんは、英語のできる人は供給過剰になっているので、これからはインドネシア語が有望かもしれないと書いています。1970年代の石油ショックの時に、これからはアラビア語だと言っていた人がいたことを思い出しました。

英語には実質的な世界共通語としての役割があります。英語を話せる人が少ない時代のように、英語ができることがメリットにはならなくなります。しかし、英語がわからないことがハンデになる時代になっています。

また、季節ものの洋服の価格が、時期により変化することを需要・供給曲線の交点で決まらないかのような記述もあります。しかし、これは需要・供給曲線が変化していることで説明できる現象です。

市場の選択

ちきりんさんは、市場の選択が重要だと説明しています。これは、自分が提供できる価値が、どの市場で求められているかの見極めが大切だということです。

自分がトップなれる市場を見つけ、そこでブランディングしてから市場を広げていくことが、マーケティングの常套手段です。

ブランディング

私は、ブランディングできるということもひとつの価値だと思います。「全米が泣いた!」「日本で売れた」ということに価値を見いだす人がいます。

高校野球が、他の学生スポーツと比較して極端に大きく扱われるのも、ブランディングに成功したからです。箱根駅伝も同じです。

そのため、まだ学生である選手が犠牲にされる現象も現れています。そのことについては、以前別の記事に書いています。

高校野球と箱根駅伝は、もはやスポーツではなく、選手を犠牲にするイベント

おわりに

『マーケット感覚を身につけよう』は、マーケティングの基本をわかりやすく説明しています。マーケティングを学びたい人、考え方を整理したい人に格好の一冊です。

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