口コミ・紹介ほど強力な宣伝媒体はありません。しかも、紹介されてきたお客様は、値切ったりせず、むしろ感謝します。その口コミを起こす方法をまとめた本です。ここでは、そのエッセンスを紹介します。
1.口コミの常識
実際の口コミは、一般的な常識とは少しだけ違います。
(1)期待以上のサービス
お客様が満足すれば口コミしてくれるわけではありません。期待以上の満足があって、はじめてしゃべりたくなります。必要以上の期待をさせないというテクニックも有効です。
(2)劇的な体験
必ずしも品質の良い商品が口コミされるわけではありません。期待と現実とのギャップの大きな体験をすると、人に話したくなります。
(3)悪い噂に過剰反応しない
食品業界や外食産業の悪い噂ように、生命や健康にかかわる場合を除き、人は悪い噂を覚えていません。過剰反応は禁物です。
(4)お客様の喜びの声を集める
お客様の喜びの声を集めると、社員のモチベーションが上がります。お客様も文章にまとめることにより、話しやすくなります。お客様と社員の間のコミュニケーションが活発になります。
(5)口コミが起こりやすい業界がある
誰とでも話題にでき、複数人で利用する商品を扱っている業界は、口コミが起こりやすくなります。口コミが起こりにくい業界では、誰とでも話題にできる商品、複数人で利用する商品に絞って、口コミをねらうことができます。
2.誰もがしゃべりたくなること
次のものは、誰もがしゃべらずにいられません。これらが口コミのきっかけとなります。
- 不幸、災難、スキャンダル
- 大逆転の物語
- 敵から味方を救う物語
- 怒り、不満、不安、嫉妬、夢、喜びなどへの共感
- ヒーロー、ヒロインになった経験
- 行列に並んで苦労して得た経験
- コミュニティの参加体験
3.口コミの要素
口コミが発生するためには、次の6つの要素が重要です。
- 口コミを起こす人
- 口コミの対象となる商品
- 商品を話題にする場所
- 話題になるきっかけ
- 口コミで伝えられるメッセージ
- 口コミのための小道具
おわりに
最後の章では、口コミを発生させ、売上アップを実現させるための具体的なプログラムが説明されています。この通りにやれば、口コミにより売上がアップすると思わせる内容となっています。口コミ・紹介でお客様を増やしたい人にはお薦めの一冊です。