『お金の流れが一目でわかる! 超★ドンブリ経営のすすめ』は、数字の苦手な経営者が、会社の状態を把握するために最低限知らなければならないことをまとめた本です。
会社の状況
経営者は表紙に描かれている図を理解し、それぞれの項目に自分の会社の具体的な数字を当てはめれば、会社の状況がわかります。
表紙の図は利益が出ている会社の図です。
固定費が粗利よりも大きくなると、営業損失が出て赤字になります。
固定費の中の人件費が大きければ、人件費に見合った粗利が出ていません。粗利を増やすか、余剰人員を削減するか、報酬の見直しが必要です。
リース料や減価償却費など設備投資に伴う支出が多ければ、設備に見合った粗利を稼げていません。粗利を増やす方策を考えなければなりません。
広告宣伝費が多ければ、費用対効果を考えた販売促進策を練り直す必要があります。
このように、この図に自社の具体的な数字を当てはめれば、会社の状況がおおよそわかります。後は、問題のあるところを具体的に調べていくことです。
借金
借金があるときは、利益の中から借金を返さなければなりません。
利益から税金を支払い、減価償却費が繰り戻された金額が本業のキャッシュフローです。
本業のキャッシュフローが年間の返済額よりも大きくなければ、借金を返済できません。借金の総額が本業のキャッシュフローの何倍かを見ると、借金を何年で返済できる力があるかわかります。
借金を返済して残ったお金が、設備投資に回せたり、繰越したりできるお金です。
これらをすべてまとめたものが下の図になります。
一方、利息は固定費として支払います。利息が多ければ固定費が増え、利益が圧迫されます。利益が減ると、借金の返済原資も減り、借金をし続ける期間が長くなります。
売上目標
手元にお金を残したい時、いくらの売上があればよいかも、この図から逆算できます。
売上目標が決まれば、現状とのギャップから、打つべき施策を考えなければなりません。
その他のシミュレーション
変動費率を下げて、粗利を増やすと、どれだけ利益がアップするか?
商品を値上げしても販売数が変わらなければ、どれだけ利益がアップするか?
売上が増えると利益がどれだけアップするか?
このようなシミュレーションもこの図から計算できます。
おわりに
会社の経営に必要な最小限の数字だけでも、このように整理すれば、簡単に会社の状況がわかります。
簡単であれば、社員で数字を共有することもできます。
数字が苦手な経営者にはお勧めの一冊です。