フリーランスの方、老後は大丈夫ですか?『マンガ 自営業の老後』

マンガ 自営業の老後

自営業の方の中には、目の前の仕事で手いっぱいで、老後のことまで考えられないという方もたくさんいそうです。

マンガ 自営業の老後』は、28年間マジメにコツコツと仕事をしてきたイラストレータが、焦りと不安から脱出したルポとなっています。

焦りと不安の正体

28年の間、仕事の依頼は決して断らず、締め切りは必ず守っていた著者の上田さんは、どのような焦りや不安を抱えていたのでしょうか?

  • じわじわと仕事が減ってきました
  • 通帳がカラになりました
  • 自分が関わった本が書店からなくなりました

と書かれています。

病気でしばらく療養したこと、懇意にしていた編集者たちが出世して現場から離れたことなどが原因だと分析しています。

自営業には定年がありません。
しかし、仕事がなければ収入もありません。

お金のこと

焦りや不安の直接的な原因は、お金のことです。

そこで、お金の棚卸を行っています。

  1. 現在の資産と借金を洗い出します
  2. 過去1年間の収入と支出を調べます
  3. これからどう暮らしたいかを考え、死ぬまでの収支予測を作ります

人によっては、現在の資産と借金の洗い出しだけでも大変だと思います。
過去1年間の収入と支出も記録していなければわかりません。

しかし、常に両方とも把握している人がいるのも事実です。

今後の収入は、あくまでも予想になります。
予想収入に合わせて、何にいくら使うかを決めていくことになります。

ここまでやると、自分のお金の全体像が見えてきます。
これから、どれだけ稼がなければならないのか、どのくらいお金を使ってもいいのかわかります。
人によっては、これだけで焦りや不安がなくなります。

大切なこと

健康

自営業の方にとっても、最も大切なことは健康です。
身体を壊しては働くことができません。

健康のために良いことは、すでに明らかになっています。

  • バランスのとれた食事
  • 適度な運動
  • 十分な睡眠

これらは最優先にすべきことです。
「バランスのとれた」「適度な」「十分な」という形容詞が大切です。
炭水化物をまったく取らないとか、フルマラソンを走るとか、愚の骨頂です。
仕事のために睡眠時間を削ることも、慎まなければなりません。

健康のためならマラソンをやめなさい
マラソンはブームと言っていい状態になっています。東京マラソンなどは、参加しようとしても、抽選でなかなか当選しません。 マラソン...

年金と保険

また、自営業の方に次の3つを勧めています。

・国民年金
・確定拠出年金
・小規模企業共済

これらの掛け金は所得控除になります。
確定拠出年金の運用益は非課税となります。
デメリットは、受け取りにそれぞれ制限があることです。

民間の保険に安易に入ることはムダです。
本当に必要かどうか、十分な検討が必要です。

不動産

著者の上田さんは、自宅を購入し、「大家さんになりたい」と不動産投資を考えます。

しかし、不動産の購入はリスクです。
私は、お金が余っているのでない限り、すべきではないと考えます。
現金に換えやすい金融資産で持っていたほうが融通がききます。

不動産投資で、初心者が見落としがちなことは、購入した不動産が値下がりするリスクです。
不動産は買った値段で売れるわけではありません。
日本では、建物は20年経つと価値がなくなります。
土地も値下がりします。

その他、空室、家賃滞納、事故(自殺や殺人事件)などのリスクがあります。

また、修繕費がかかることも見落としがちです。

一般に不動産投資で儲けるためには、次の3つが必要です。

  • 掘り出し物の情報を得られる人脈
  • 掘り出し物をきちんと判断できる知識
  • 掘り出し物の購入をすぐに決断できるお金の裏付け

これらを得るためには、不動産投資の経験が不可欠です。
簡単に身に付くものではありません。

おわりに

投資が必要だと言って、お金を蓄えることを否定する人がいます。そんな人の話を信じてはいけません。

ある程度の蓄えは必須です。どの程度の蓄えが適切かを判断するためには、会計の知識が必要です。専門的な言葉を使うと、適切な流動比率を保たなければなりません。

目の前の仕事に追われることから抜け出すためには、マーケティングの知識が必要です。マーケティングとはドラッカーの言葉を借りれば「売り込みを不要にすること」です。売れる仕組みを作ることです。

下請けの仕事はリスクを抱えています。仕事が欲しければ元請の言いなりにならざるを得ません。仲の良かった担当者も出世したり、異動したりします。

直接、お客様と接することのできる仕事の仕組みづくりこそ大切なことです。

自営業には、会計やマーケティングの知識が必要なことを再認識させる本です。

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