マラソンはブームと言っていい状態になっています。東京マラソンなどは、参加しようとしても、抽選でなかなか当選しません。
マラソンを始めようと考えている人もいると思います。しかし、ちょっと待ってください。
ルーの法則というものがあります。簡単に説明すると次のようなものです。
- 運動をしないと身体はなまる
- 運動しすぎると身体を壊す
- 適度な運動は身体に良い
法則というよりも常識といえる内容です。
42.195kmを走るフルマラソンは、非常に負荷の高い運動です。身体をいためる人も珍しくありません。マラソン中に心肺停止になった人も1992年~2011年8月の間で127人いるそうです。
近年のマラソンブームによるランナーの増加にともない、マラソン中の突然死も増加傾向にあります。1992年~2011年8月までの間に開催された国内のマラソン大会で、127名のランナーに心臓が止まってしまうという事故が起きており、年を追うごとに増加傾向にあります(図1)。マラソン(ランニング)はすべてのスポーツの中で突然死が発生する数が最も多いと言われています。このようにマラソンは簡単に誰もが行えるスポーツでありながら、実は危険と隣合わせのスポーツであるということを忘れてはいけません。
『MR.マラソンマンの耳より情報 | 東京マラソン2012』より
健康のためにランニングをすることは、良いと思います。しかし、フルマラソンの完走を目指してはいけません。それは、健康を害する行為です。
ランニングをするならば、適度な距離を走ればいいことです。42.195kmを走る必要はありません。それでもフルマラソンの完走を目指す人が絶えないのは、達成感を味わいたいためです。
この達成感がくせものです。登山でも危険を冒して頂上を目指すのは達成感を味わいたいためです。
おそらく何か満たされないことがあるために、その代償行為としてやっています。身体をいためてまで、あるいは命を危険にさらしてまで、達成感を得たいとは、人間は因果な生き物です。達成感ならば他の方法でも満たせます。
フルマラソンの完走を目指すのではなく、適度な距離を定期的に走る方がはるかに健康にはいいことです。走らずに歩いてもかまいません。それを一生続けることの方が、フルマラソンの完走を目指すよりもはるかに身体のためになります。
健康のためにマラソンを走ってはいけません。