体育会体質の罠

バスケット

 昔から体育会出身者は採用時に企業からの人気が高いと言われています。体育会出身者は、上から言われたことを疑問も持たずにだまってやることに慣れ親しんでいるためです。

 これは、一昔前の日本企業にとっては、たいへん都合の良いことでした。会社の基本方針は、欧米の企業のまねをして成長するだけです。追いつけ追い越せと全社一丸となって突き進んできました。つべこべ言わず、疑問も持たずに、言われたことをしゃにむに頑張って実行することだけを求められていました。

 同じ企業文化に長期間浸っていると、それが当たり前だと思い込むようになります。それが世界の常識からかけ離れていても気がつきません。

 その結果、トップの周りはイエスマンで固められ、トップの暴走を止められる人はいなくなります。不正があっても、見て見ぬふりをする風土が育まれていきます。

 また、体育会出身者が持っている長時間残業に耐えられる体力も、企業にとっては望ましいものでした。いざというときには、長時間眠らずに働き続ける体力が重宝されました。

 しかし、欧米の企業に追いついた後は、日本企業は変わらなければなりませんでした。顧客や市場を独自に見つけ、独自の製品を創らなければなりません。独創的なアイデアや先進的なイノベーションが必要になります。

 それにもかかわらず、トップは体面を保つため、過去を踏襲した方針を示し、部下は何の疑問も持たずにそれを実行することが続きました。オリンパスの事件のように、不正だと分かっていても、だまって上司に従うことが当たり前だという企業体質につながっていきました。

 今までと同じ体質では、企業は存亡の危機に瀕するため、変わらざるを得ません。変わっていく過程では、過去の膿も出てきます。最近明るみに出た不祥事は、日本社会が変わっていく中で、変わりきれない企業から出た膿と見ることもできます。

 企業社会が変わりつつあるにもかかわらず、スポーツ界は依然として古い体質から抜け出せません。体罰問題が明るみに出ても、体罰必要論や擁護論がでてくる始末です。

 その背景には、企業と異なり、すぐに存亡の危機にさらされないという甘い状況があります。企業は顧客が離れれば滅びますが、スポーツ界は、国民自身がスポーツを行うため、簡単には滅びません。しかし、スポンサーは離れ、世界から相手にされなくなります。

 オリンピックで採用される種目の変更や、オリンピック招致よりも、自らの体質を変えることが重要です。さもないと日本のスポーツ界は、世界からも国民からも見放されることになります。

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