NHKが行った世論調査で、広島と長崎に原爆が投下された日付を正しく答えられなかった人が全国で7割程度であったそうです。
NHK世論調査 原爆投下日を7割が不正解 NHKニュース
コンピュータで無作為に発生させた番号に電話をかけて調査する方法です。調査対象者は家にいる時間が長い人が増えます。
約3割の人が日付を正確に答えられたということです。意外と正確に日付を記憶している人が多いという印象を持ちました。
ところが、この記事は次のように締めくくられています。
広島大学大学院の布川弘教授は「広島や長崎でも原爆投下の事実を知らない人がいるなど、非常に憂慮すべき事態だ。70年の節目に原点に立ち返って原爆について意識を高めていく必要がある」と話しています。
出典:NHKニュース
日付を正しく答えられなかったことが、原爆投下の事実を知らないことなのでしょうか? 明らかに違います。
それとも記事にはない調査があって、広島や長崎への原爆投下の事実を知らない人がいたということでしょうか?
後者であるならば、原爆投下の事実を知らない人の割合の方が、投下日付を正確に答えられなかった人の割合よりも重要です。それを書かない理由はありません。
この記事は、原爆投下日付を知らないことと、原爆投下の事実を知らないことを混同させることをねらった記事に思えます。
特にネットで見る人は、きちんと読まず、脊髄反射的に反応します。
原爆投下の事実を知らない人が7割もいると誤解させることにより、戦後教育に問題があったと思わせたいのかもしれません。あるいは国防に関する意識を高めようという意図でしょうか?
NHKの意図はわかりませんが、このような記事はNHKの良識に疑問を抱かせます。
【追記】
『「原爆投下の日、7割が不正解」 NHK調査は元号まで聞く方式だった』という記事が流れてきました。1945年8月6日と1945年8月9日と答えたら正確に答えたとカウントしないのでしょうか? それも奇妙です。