起業を考えた時、自分の好きで得意な分野で起業すると良いと言われています。
好きなことでないと、続けることが難しくなります。困難に直面するとやめたくなってしまいます。得意なことでないと、他の人よりも優れた商品やサービスを提供することが難しくなります。
普通は好きなことと得意なことは一致しています。もし、一致していなければ、その理由を分析してみる価値があります。きっとあなたの心の奥底に、あなたが認めたくないことが隠されています。
好きで得意なことがあなたの強みになります。
多くの人は自分が好きで得意なことを自覚しています。しかし、中にはわからないという人もいます。得意なことなどないという人もいます。
そういう人でも、自分の好きで得意なこと、すなわち強みを見つける方法を紹介します。
自分の棚卸
ある程度まとまった時間を確保し、誰にも邪魔をされない場所で、紙とペンあるいはパソコンを用意します。
あなたの好きなことを思いつくまま書き出します。現在だけでなく、子供のときからのことを思い出して書き出していきます。
本当に好きだったかどうか深く考える必要はありません。頭に浮かんだことを書き出すだけで結構です。
趣味、遊び、ゲーム、スポーツなどのカテゴリーからも思い出していきます。
子供の頃の夢、学校に合格したときに描いた夢、会社に入った時の夢も自分が好きで望んでいたことです。
もし、絶対に失敗しない、成功が保証されているとしたら何に挑戦しますか?
それはあなたができっこないとあきらめた夢です。
次は得意なことです。好きだったかどうかわからなくても、得意だったことを子供のときから思い出して書き出していきます。
成績の良かった科目、強かったゲームやスポーツ、うまかった遊びなどがあると思います。仕事のために取得した資格も得意なことになります。誰もが資格を取れるわけではありません。
人にはない経験、人脈なども得意なことに入れて構いません。
自分で誇らしく感じたことも得意なことです。
誰かにほめられたことがないか思い出してください。親からでも、先生からでも、友達からでも構いません。遊びでも、スポーツでも、仕事でも結構です。ほめられたことは、自分では大したことがないと思っていても、あなたの得意なことです。
自分では当たり前のことが、他人から見たらすごいことはよくあります。自分が普通にできるので、なかなか自分の得意なことと気づかないのです。
全部で200個ぐらいは書き出してください。
ひととおり書き出したら、その理由も考えてみます。それも一緒にメモしておくといいでしょう。
関連するエピソードがあれば、できるだけ詳細に書き留めておきます。そのときは、第三者から客観的に見たように自分自身について書きます。
こうした情報が、創造的インスピレーションをもたらします。
自分年表
子供のときから、現在までの自分の年表を作ります。どんな出来事があり、どんな仕事をしてきたか書き出します。
できあがったら、年ごとの自分のモチベーションの高さをグラフにします。
完成した自分年表を眺めると、自分の力を発揮できる場面や自分の価値観に気づきが得られます。
強み発見マンダラート
3×3の9つのマス目を描きます。
中央のマスに「誰々の強みは?」という問いを書きます。周りの8個のマスに答えを書いていきます。8つのマスがあるため、強制的に8個の答えをひねりだすことになります。
全体を俯瞰することにより、掛け合わせの強みが見つかりやすくなります。
掛け合わせの強みとは、1つでは大した強みではなくても、掛け合わせると大きな強みになるものです。
私が長年関わってきたIT業界では、論理的で緻密な思考ができるエンジニア的スキルとリーダーシップを取れるヒューマンスキルを兼ね備えた人が非常に貴重な人材です。
ストレングス・ファインダー
ストレングス・ファインダーとは、「強みとなりうる資質」を見つけるツールです。ギャラップ社が傑出した才能を持つ200万人以上の人々にインタビューして、34の「強みとなりうる資質」を抽出しました。
『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう』か『心のなかの幸福のバケツ』を購入し、IDナンバーを手に入れるとウェブサイトから調べられます。IDナンバーは1回しか使えないため、中古本では使えない可能性があります。
また、次のサイトからも有料で調べられます。
性格タイプ
性格を「外向型⇔内向型」「五感型⇔直感型」「思考型⇔情緒型」「決断型⇔柔軟型」の4つの観点から、16通りに分類し、分析する方法です。
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エニアグラム
エニアグラムは、個人の特性を9つのタイプに分類し、分析しています。
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まとめ
自分の強みの発見には「自分の棚卸」が最も効果的です。定期的に見直し、時間をかけて、何回でも考えてください。どんどん追加していくと、かなりの枚数になると思います。これが、あなたの宝物になります。
人間をいくつかのタイプに分類し分析する手法は、どうしてもステレオタイプな解釈になります。
また、占いのように考え「当たっている」「当たっていない」というとらえ方をしがちです。
自分がどのタイプに近いかを知り、そのタイプの特性を知ることにより、自分の理解が深まるという使い方をすべきものです。