Facebookの人工知能が、利用者の投稿やコメントをもとに、利用者の行動を予測し、先回りして対応するという記事がありました。
「Deep Text」とは? Facebookの新しい人工知能は何がスゴいのか | TechCrunch Japan
例えば、Facebookの利用者がタクシーに乗ると予想すると、Facebookがタクシーを呼び出すアプリを起動するというぐあいです。
一部の人はこれに対しプライバシーの心配をします。しかし、それは見当はずれの心配です。仮にタクシーに乗ったことが他人に知られてしまったとしても、それが困る人がどれだけいるのでしょうか。
人に知られたくないことは、Facebookに投稿しなければいいだけです。訪れた場所を知られたくなければ、GPSをオフにしておけばいいのです。
Facebookを使わなければ生活ができないわけではないので、Facebookを使わないという選択肢もあります。
Facebookの人工知能が、利用者の言動を予想して先回りするようになったとき、Facebookが気をつけなければならないことはプライバシーではありません。余計なお世話と思われないことです。
利用者の言動を完全に予想できれば、まだ問題は少ないです。しかし、予想が外れることが、特に初期は、しばしば起こるはずです。
タクシーに乗るつもりもないのに、勝手にタクシーを呼ぶアプリが立ち上がっては、わずらわしいだけです。
ちょうど、Microsoft Wordを使っていて、勝手に箇条書きにしたり、大文字に変換したりすることが、自分の意図と違えばわずらわしいのと同じです。
その機能をオフにすることになります。
もしニュースフィードの記事が全部面白くなれば、ユーザーがFacebookに費やす時間は増え、さらに多くのテキストをシェアするようになり、Deep Textはさらに賢くなる。そしてFacebookのAIフィードバックの車輪はどんどん速く回転し、完璧なコンテンツ推奨エンジンへと向かうだろう。
引用元:TechCrunch Japan
「Deep Text」とはFacebookの人工知能の名前ですが、Facebookがねらっているのはこれです。
ニュースフィードの記事を思わず読みたくなるものだけで埋め尽くし、Facebookに費やす時間を増やす戦略です。
この結果、ネット依存症でなくても、Facebookを使う時間が際限なく伸びていきます。
利用者としては、Facebookと他の事の優先度を判断し、Facebookに費やす時間を適切に管理することが必要になります。
Facebookのニュースフィードに表示される記事は、今後ますます、あなたの読みたい記事だけになっていきます。
Facebookからは、あなたの読みたくない情報は得られません。Facebookからの情報だけで満足していると、非常に偏った情報だけに触れることになります。
意図的に他からも、できればネット以外から、情報を得る努力が必要になります。
そのためにはFacebookを利用する時間を自ら制限することです。利用者はFacebookを使う時間を適切なものにしようとし、Facebookの人工知能は利用時間を延ばそうとします。
Facebookの将来は、この利用者とFacebookの人工知能との争いになります。