起業したい、あるいは起業するという人の話を聞いて、次の質問をしたくなる時があります。
「あなたの商品・サービスでお客様の手にする利益は何ですか?」
つまり、そこまでの話で、その商品やサービスがお客様にどのような価値があるのかわからないのです。
しばしば、自分が苦労して作るものであれば、買ってくれる人がいるだろうと甘い考えを持つ人がいます。
お客様の目線で考えられず、自分の目線だけで見ています。お客様にとって役に立つか、喜んで買ってくれるかという目線がありません。
自分の好きで得意なことで起業しても、お客様が商品やサービスを買ってくれなければ事業として成り立ちません。
それは単なる趣味です。
また、お金が入ってきたとしても、お客様に利益がないものを売っていては詐欺のようなものです。
広告収入で儲けている会社が、粗悪品を宣伝することは好ましいことではありません。宣伝するならば、その商品やサービスに責任を持つべきです。
お客様は、その広告を見て買うわけです。広告にウソがあってはいけません。
自分が買ってもいない商品をあたかも自分で買って使ったかのように宣伝することも許されることではありません。そこにはウソがあります。
詐欺のサービスを宣伝したら、詐欺と同罪です。
以前、ペニーオークションをアメブロで宣伝した芸能人がいました。
ペニーオークションとは、入札のたびに手数料がかかるオークションです。オークションの開始価格が低く、手数料が低額ならば、安く落札できるかもしれないと考えてしまいます。
しかし、競い合って何回も入札すると手数料が高額になります。落札できないと手数料の分だけ損をします。
実際には、落札できない仕組みになっていました。手数料をだまし取る詐欺だったのです。
この詐欺を「安く落札しました」とお金をもらって宣伝した芸能人がいました。その芸能人を信じて詐欺に引っかかった人も多いはずです。
ダフ屋も、多くの自治体において迷惑防止条例で禁止されている反社会的行為です。
人気のあるコンサートのチケットなどを買い占め、高額で転売しています。
買い占めることで、コンサートに行けないファンが増えます。
さらに、主催者がファン層に合わせて設定した価格を吊り上げて転売することで、不当な利益を上げています。
仕事をするならば、それが誰のどのような利益につながっているのかを常に考えなければいけません。
それを考えることが、商品やサービスの改善にもつながります。