IT業界の労働環境の悪さは昔から有名です。
しかし、フリーランスになれば、労働環境が改善するという記事がありました。
はたして本当でしょうか?
IT業界の労働環境が悪い理由は次のところにあります。
IT業界の労働環境が悪い理由
過当競争
IT業界は昔から過当競争の状態です。
そのため、無理をしてでも受注しようとします。納期や金額に無理があっても受注し、取ってから何とかしようとします。
そのしわ寄せが、エンジニアに来ます。
条件があいまい
ITシステムの開発では、受注時に条件がきちんと決まっていることはありえません。決まっているのは概要ぐらいです。
設計を進めていくに従い、詳細が決まっていきます。
前述のとおりIT業界は過当競争ですから、見積金額はできるだけ小さく抑えようとします。条件があいまいな状態で抑えた見積もりをするため、詳細が決まってくれば仕様も金額も膨らみがちです。
仕様変更がある
ITシステムの開発では、設計が進むにつれ、新しい要求が出てくることは珍しくありません。最初は気づかなかったことに、詳細が明らかになるにつれ見えてくることがあるからです。
そのため、仕様変更は必ずと言っていいほどあります。
その場合、費用やスケジュールも見直しすべきです。ところが、費用やスケジュールを見直しせずに、仕様変更だけを受け入れるプロジェクトがあります。
プロジェクトのスタート時に関係者に対し、仕様変更は費用とスケジュールの見直しを伴うものだということを徹底していない場合があります。
仮に徹底していたとしても、受託側の立場の弱さがあります。
仕様変更となって手戻りが発生しても、費用もスケジュールも変わらなかったとき、そのしわ寄せは末端のエンジニアに来ます。
フリーランスの働き方
IT業界でフリーランスとして働くときは、どこかの会社の下請けか派遣社員となることがほとんどです。
どこかの会社が受注したプロジェクトに、エンジニアとして参加することも多いはずです。
そのプロジェクトが上記の問題を抱えていたら、フリーランスのエンジニアにとっては地獄となります。
社員は労働法で守られます。
しかし、フリーランスのエンジニアは労働法で守られません。何時間働こうが自分の責任です。
プロジェクトのしわ寄せをすべて背負い込まされる可能性もあります。
それを避けるためには、仕事を選ばなければなりません。
自分がエンドユーザーときちんと契約することがベストですが、フリーランスのエンジニアとシステム開発の契約するところはあまりありません。
日本でフリーランスのエンジニアがIT業界で働くときは、ユーザー企業が自社のシステムを開発するプロジェクトに、派遣社員として参加することがベストかもしれません。
そうすれば、無理な受注はなく、仕様変更に伴ったスケジュール変更なども受け入れ安い環境にはなります。
その場合でも、派遣先がブラック企業でないことの確認が必要です。
まとめ
IT業界は過当競争です。受注時の条件はあいまいで、仕様変更で手戻りが発生しても費用やスケジュールを見直してもらえないこともあります。
そのため、労働環境はブラックになりがちです。
その環境でフリーランスとして働くことは地獄です。労働法に守られることがありません。
IT業界でフリーランスとして働くならば、仕事を自分で選べなければ、労働環境の改善にはなりません。