今、50~60代の起業家が急激に増えているそうです。もともと50~60代は、まだ気力・体力ともに充実し、経験は豊かです。むしろ定年後、隠居生活に入る人に違和感を覚えるほどです。
一方、年金の支給開始年齢が引き上げられ、雇用延長もされました。そこには大きな落とし穴が待ち受けています。そこのところについては、以前このブログでも書きました。
本書は、50~60代に特化した起業・経営コンサルタントの書いた本です。印象に残った点を3点紹介します。
1.好きなこと、得意なこと、お金になること
シニア起業に大事なこととして、お互いに重なった3つの円が示されています。
ひとつは、「好きなこと、やりたいこと、何に興味があるか」の円です。2つ目は、「得意なこと、何ができるか」の円です。3つ目は「お金になること、市場性があるか」の円です。
この3つの円の重なるところがビジネスとして成功する確率が高くなるところです。
スティーブン・R・コヴィーの『第8の習慣』にでてくるボイスとそっくりです。
ボイスでは、才能、情熱、良心、ニーズの重なるところをボイスと呼び、自分のボイスを見つけ、人のボイスを見つけられるよう助け合おうと呼びかけています。
2.ペルソナマーケティング
ペルソナマーケティングとは、ターゲットを具体的なひとりのイメージに絞り込むことです。
本書では、ターゲットを絞り込むことにより、商品の品揃えや広告などの面でコストを減らす効果があると説明しています。
キャズムの考え方では、ターゲットを絞り込むことにより、絞り込んだ市場で一番となり、認知度を上げられることがメリットとなります。自分が一番になれる市場を見つけることが第一優先です。
アーリーマジョリティは一番のベンダーに近寄ってきます。市場が拡大し、アーリーマジョリティが商品を手にする段階では、一番であることが最も大切なことです。まず、絞り込まれた市場で一番になり、そこから徐々に市場を広げることです。
顧客の立場からは、ターゲットが絞り込まれていると、自分を対象にしてもらっていると感じます。
一般的なターゲットではなく、具体的なひとりの人をターゲットにすると、似たような人は皆、自分がターゲットだと思います。
3.「選ばれる」戦略
マーケティング戦略の立案にあたり、Costomer(顧客)、Company(自社)、Competitor(競合他社)の頭文字をとった3Cのうち、競合の状況を把握しなければなりません。
他社との差別化が必要です。USP(Unique Selling Proposition)と言われる、顧客が自社を選ぶ強みがなければなりません。
まとめ
シニア起業についてひととおりまとめて書かれています。興味のある方にはお薦めの本です。