ちきりんさんの『多眼思考』をKindleで読みました。本人のツイートを編集し、掲載したものです。ちきりんさんの考え方が良くわかります。
ここでは、私が共感を覚えたツイートを3つ紹介します。
勝てる分野を選ぶ
勝ちたいなら、自分の欲しいモノを手に入れたいなら、「頑張る」のではなく、「勝てる分野」を選び、「勝つ方法」や「手に入れるための工夫」について考えるべき。むやみに頑張るのは人生の無駄。 [2013.10.27] P.175
これは、全面的に同意します。
豊かな人生を送りたいと思うなら、自分が好きで、得意なことで、誰かの役に立つことを探すことです。そして、その分野でうまくいく方法を考えるべきです。
与えられた環境でむやみに頑張るのは、人生の貴重な時間を無駄にすることになります。
昔の人は、与えられた環境で頑張ることを勧めることがあります。昔は環境を変えない方が有利であるか、変えることがほとんど不可能でした。
公務員になるか、大企業に勤めると、定年までいれば、一生暮らせる年金がもらえました。農家の長男に生まれれば農家を継ぎ、二男や三男であれば働きに出るしかありませんでした。大学に進学できるのは、裕福な家庭に生まれた子供だけでした。
たまたま働き口が好きで得意なことで成功した人が、自らの経験から、与えられた環境で頑張れと言います。
現在では、大企業に勤めてもつぶれたり、リストラされたりします。年金支給開始年齢も遅れ、支給額も減りました。60歳を超えても本人が希望すれば働けるようになりましたが、待遇や給与は大幅に落ちます。
一方、中途採用する企業も増えています。技術の進歩は新しい職業を生み出しています。職業選択の自由は、憲法で保障されています。
自分が変わる
世界が変わるのを待つより、自分が変わったほうが早いですよ。 [2014.6.11] P.256
世界や他人は、自分の思うようになりません。世界や他人が変わるのを待っていては、時間を浪費することになります。
自分は、自分の意思で変えられます。自分の考え方を変え、自分の行動を変え、つきあう人を変えれば、生活は大幅に変わります。
大切なことは、今の生活は自分自身が選んだものだということをきちんと認識することです。職業も配偶者もあなたが自分で決めたのです。
人口知能
スマホが人工知能(クラウド上の)への入り口としてもっと進化したら、自分のスマホを家族や恋人みたいに思ったりするわけ??それともやっぱり(愛される人工知能には)、なんらか「愛すべき形=身体性」が必要なのかな? [1014.9.28] P.267
この問いへの回答は、「身体性はあったほうが良いが、なくても大丈夫」です。
50年近く前ですが、ELIZAという自然言語処理プログラムがありました。単純なパターンマッチング技法を使って、「頭が痛い」と言えば「なぜ、頭が痛いと言うのですか」などと返すプログラムです。
タイプライターで文字をやりとりするだけのシステムですが、感情的に没入する人もいたそうです。
Amazon Echoについて、以前、記事を書きました。音声で応答する黒い円筒の機械です。
Echoの出来次第では、黒い円筒を家族のようにかわいがる人がいると思います。
人口知能はだんだんと賢くなり、家族の一員のようになります。身体である機械が壊れても作り直し、プログラムとデータを移し替えれば、永遠の生命を得ます。
親から子、孫の世代へと変わっていっても、人口知能が何十年でも何百年でも生き続けることは、近い将来間違いなく可能になります。
ただし、それを生命と呼べるかどうかは別の問題です。また、人間の頭脳の情報をすべて機械にアップロードして、永遠の命を得られるかはわかりません。それを生きていると呼べるのかもわかりません。
おわりに
ツイート集でも十分にちきりんさんの考え方がわかります。
モンテーニュのエセーを読んだ時のような気がしました。