脳は、体と同じように、使わないとどんどん衰えます。死亡率も高まります。シニア世代の一番の健康法は脳を使うことです。
脳を使うといえば勉強ですが、シニア世代と学生時代とは勉強の方法も異なります。ここでは、受験勉強と比較して、シニア世代の勉強法について考えてみます。
受験勉強
受験勉強には、合格最低点をとるという明確な目標があります。また、試験日という明確な締め切りもあります。
そのため、試験のパターンに合わせた勉強が有効であり、記憶は合格のための強力な手段となります。
シニア世代の勉強法
(1)明確な締め切りはない
シニア世代の勉強には、明確な締め切りがありません。強いて言うと、自分が死ぬときです。
明確な締め切りがないため、きちんと計画を立てないと、無意味に時間だけが過ぎていくことになります。
(2)目標はアウトプット
勉強というとインプットばかりする人がいます。資格をたくさん取る人もいます。
しかし、インプットだけをしていても、むなしくなります。資格だけをたくさん取っても無駄になります。
インプットはアウトプットしてこそ、活かされます。資格は、その資格が意味を持つ活動のために、取得するものです。
シニア世代の勉強の目標はアウトプットです。アウトプットにはいろいろなものがあります。
学んだことをもとに、新しい仕事を始める人もいます。学んだことを人に教えることもできます。学んだことを世の中に発表することもできます。
アウトプットとして、手軽にできることに、ブログがあります。インターネットに接続したパソコンがあれば、無料で始められます。
継続して書き、適切に宣伝していけば、読者も増えてきます。ブログから商業出版した人も増えています。
(3)単純な記憶は無意味
記憶力は、小中学生のころをピークとして、年齢と共に衰えます。記憶力は人間の知的能力としては、最も原始的なものです。
受験では、採点効率化のために記憶力をテストする問題も多いことが現実です。大学に入ると記憶力をテストするような試験は少なくなります。
昔は、生き字引のような人が重宝されたこともありました。しかし、インターネットで検索できる現在では、記憶力の重要性はさらに小さくなりました。
記憶している知識を増やすだけの勉強は、意味のないものとなっています。
(4)経験を活かした思考
シニア世代の強みは、豊富な経験を元にした思考力です。
これまでの経験をもとに、独自の考えをまとめて、アウトプットします。これこそ、シニア世代の勉強に求められていることです。