ライフログであらゆるものを記録しようとすることはムダになりかねません | 定年起業のためのウェブコンサルティング

ライフログであらゆるものを記録しようとすることはムダになりかねません

カメラとスマホ

ライフログが一般的になってきたように、現在は、あらゆるものの記録が容易にできるようになっています。記録することのメリット・デメリットを考えてみます。

何でも記録することのメリット

あとで見て楽しめるということがあります。また、あとで役に立つことがあるかもしれません。

もちろん、目的を持って記録したものは、その目的を達成するための役に立ちます。例えば、ダイエットをしている人にとって、体重や体脂肪率の記録は、励みにもなり、ダイエット法と体重や体脂肪率の変化の関係を検証することもできます。

何でも記録することのデメリット

(1)情報漏洩のリスクにさらされる

情報を保管する以上、情報が盗まれる、もれるというリスクは常にあります。

(2)記録に伴うコストが発生する

記録するためには、多かれ少なかれ、そのための道具、手間、時間が必要です。

(3)保管に伴うコストが発生する

電子的な形で保管すれば費用は少なくてすみますが、電子的な形に変換する費用はかかります。そうでない場合は、保管のためには、それなりの場所が必要になります。

(4)「忘れられる権利」

人間の心理には、いやなことは忘れて心の健康を保つということがあります。

保管してある記録に容易にアクセスできないようにすることで、避けられることかもしれませんが、何かの拍子に目にしてしまった時に、古傷をえぐられるようなこともあり得ます。

おわりに

このようなメリットとデメリットを踏まえて、仮に、個人が経験することをすべて記録するとした場合、どのようなことになるかを考えてみます。

まず、眼鏡にテレビカメラとマイクを取りつけ、見たこと、聞いたことをすべて自動的に記録するとします。GPS付の装置でいつどこにいたかも自動的に記録することにします。

味、におい、感触は、現在のところ記録するための良い方法がないので、あきらめます。脳波や心電図、筋電図なども常に記録するための装置が開発されていると仮定します。そのほか、現在ライフログとして行われていることは、すべて実行するとします。

以上のことをすべて実施すると、データ量は膨大なものになります。

しかし、このようにして収集した情報も、あとで利用することがなければ活かされません。あとで利用するためには、これらのデータを検索するための技術が必要になります。

データ量が膨大になると、それを利用するためには、必要とするものを条件指定して検索するという方法しか実用的ではありません。

ブラウジングしながら見るためには、ある程度以上、見たい情報がまとまっていないと見る気にはなれません。それをするためには、自分が見たいものをあらかじめ決めておき、それらの情報をまとめておく必要があります。タグ付けしておくことでもかまいません。

見たいと決めた情報以外は、もしかしたら役に立つかもしれないという程度の情報です。必要なときに検索して探さなければなりません。しかし、その場合、時間ぐらいしか検索のキーはありません。うまく見つかるかどうかもわかりません。

すなわち、データ量が膨大になる場合には、その検索方法をあらかじめ決めておかないと活かすことができません。活かすことができない情報をどのくらいのコストをかけて収集・保管するかは良く考える必要があります。

以上のように考えると、情報は、その収集と保管にかかるコスト見合いで、収集するかどうかを決めることが賢明です。目的なしにコストをかけて何でも記録することは、あまり意味がありません。

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