世界最高のセミナーを主宰するといわれるアンソニー・ロビンズのガイドブックです。365個の文章にわかれていますが、私の心に引っかかった3つをご紹介します。
1.目標の設定
でも、幸せになるための目標を達成することと、幸せに目標を達成することには大きな違いがあります。
目標を達成してしまうと虚無感に襲われてしまうということはよくあることです。長い時間をかけて、精一杯の努力をして目標を達成すると、幸せになると多くの人は信じています。
ところが、実際に幸せを感じるのは目標を達成した一瞬だけで、その後は何をして良いのかわからなくなってしまう人がいます。いわゆる燃え尽き症候群になってしまいます。
幸せは、目標を達成するところにあるのではなく、目標に向かって進んでいくところにあるのです。目標とは、そのように設定しなくてはいけません。
オリンピックで金メダルを取るとか、ノーベル賞を受賞するといったことを目標にすべきではありません。それは、極めて困難なだけでなく、運良く達成したとしても次にすることがなくなってしまいます。これらは通過点であり、最終目標はその先に定めるべきなのです。
2.ペシミストとオプティミスト
そこで、ペシミストは無駄な努力をする理由がないと諦めてしまいます。
それに対して、オプティミストのポジティブな見方は、自分自身をやる気にさせ、やり通す力を生み、結果として成功させることになるのです。
こうして、非現実的に見えた評価が実際の成功につながります。
一般的にオプティミストが有利なのはこのためです。寺田寅彦の「科学者はあたまが悪くなくてはいけない」という言葉を思い出しました。頭が良いと先が見えてしまい諦めてしまうことでも、頭が悪ければ努力をして成功してしまうことがあるということでした。
実際に不可能だと思ったらその方向に進むことはないはずです。別な方法を探します。不可能なことなのか、不可能に見えるだけなのかは、誰にもわかりません。永久機関は、エネルギー保存の法則からは不可能なことですが、エネルギー保存の法則が間違っているかもしれません。実際、アインシュタインの相対性理論では、エネルギーは質量と交換可能に思えます。しかし、永久機関の発明は、多くの人が挑戦し、失敗し続け、誰も成功していません。
逆に、不可能に思えたことを達成した例は、たくさんあります。人類の歴史そのものです。やはり、オプティミストとして行動するほうが、成功する確率は高くなります。
3.価値観とは感情の状態
自分が求めるものについて、良く考えると、求めているのはものではなく、そのものを手に入れたときの感情であることがあります。例えば、子供が将来サッカー選手になりたいといった場合、サッカーが好きなのではなく、実はサッカー選手になって人気者になりたいというようなものです。
最新のスマートフォンを欲しいと思っても、実際にはスマートフォンを使いこなして、皆の賞賛を集めている気分を欲している場合もあります。それであれば、スマートフォンを手に入れなくても、他のもので皆の賞賛を集められれば代わりになります。
同じことが、目標にも言えます。自分が目標だと考えているものを良く考えてみると、本当に望んでいるのは目標を達成したときの感情であることは、珍しくありません。それであれば、目標については、柔軟に考えられます。自分の望む感情を満たすものであれば、代わりになります。
まとめ
365個というのは、1日1個を意図したものかもしれません。副題に「こころの習慣365日」とあります。365個の文章の中には、きっとあなたの心の琴線に触れるものもあると思います。