自動運転車は実用化するか | 定年起業のためのウェブコンサルティング

自動運転車は実用化するか

カーショー

 Googleをはじめとして、各国の自動車メーカーが自動運転車を開発しています。自動運転車とは、無人で、ドライバーの手をわずらわすことなく走る車です。しかし、自動運転車が事故を起こした場合の責任はどうなるのでしょうか?

 その問題を考える前に、まず自動運転車のメリットを確認してみましょう。

1.自動運転車のメリット

 自動運転車のメリットとして、次の5つが考えられます。

(1)事故の防止

 ドライバーの判断ミスや操作ミスによる事故を防止できます。居眠り運転や飲酒運転もなくなります。

(2)ハンディキャップを持った人の交通手段

 視覚、聴覚、反射神経などにハンディキャップを負っているため車の運転ができない人に、交通手段を提供します。

(3)時間の有効活用

 車を運転している間は、音楽を聞くか、オーディオブックを聞くぐらいのことしかできません。自動運転にすることにより、パソコンを操作したり、映画やテレビを見たりすることができます。

(4)渋滞の緩和

 自動運転により適切な車間距離が保たれ、人為的な原因による渋滞を防止できます。渋滞の原因は、適切な車間距離を保っていないためという説があります。

(5)環境汚染の緩和

 適切な運転により燃料の浪費が減り、二酸化炭素などの発生を最小限にすることができます。

2.自動運転車の実用化を妨げるもの

 このようにメリットのたくさんある自動運転車ですが、実用化のための最大の障壁が、事故が起きたときの責任の所在です。自動運転のためのプログラムのバグ、各種センサーの故障などで事故が起きたとき、その責任の所在がどうなるかです。

 バグのないプログラムを作る方法は発見されていません。故障しない機械も存在しません。プログラムのバグにより事故が起きたらプログラムを開発した人の責任になるのでしょうか。センサーの故障で事故が発生したら自動車メーカーの責任になるのでしょうか。

 現在の車では、車の設計上の問題で事故が起きれば、自動車メーカーの責任とされ、車はリコールされます。同様に考えると自動運転車の起こした事故は自動車メーカーの責任となりそうです。

 自動運転は事故を回避する機能を車に付加するところから始まっています。前方の車と適切な車間距離をとりながらついていく自動追尾や、衝突回避のための自動緊急ブレーキなどです。飛び出してきた歩行者をよけるシステムもあります。

 次に出てくるのは、自動運転モードを備えた車です。自動運転モードにすると、車は目的地に向かって走り出しますが、ドライバーがブレーキを踏むと、自動運転モードが解除され止まる車です。

 全面的な自動運転車が、実用化されるかどうかはわかりません。十分な実績を積めば、人間が運転するよりも安全な自動運転車はできます。しかし、販売するためには、かなりの覚悟が必要です。

 不具合が見つかるのは、普通とは異なる状況です。航空機でも異常時の自動運転の動作とパイロットの操作の関係で墜落しそうになった事故がありました。同様のことが自動運転車でも起きるかもしれません。

 どの段階で自動運転車を一般の人が使えるようにするかは非常に難しい問題です。ドライバーが常に監視をして、緊急時はブレーキを踏むと止まる車がせいぜいかもしれません。その場合でも、自動運転車のメリットのうち「事故の防止」「渋滞の緩和」「環境汚染の緩和」の効果は見込めます。

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