情報利用は目的等の開示が必須です | 定年起業のためのウェブコンサルティング

情報利用は目的等の開示が必須です

ポインセチア

 いつも泳ぎに行っているプールで入場時と退場時に名前と時刻を記入するようになったのは、だいぶ前のことでした。安全のためということでしたが、納得がいきませんでした。

 入り口の前に机が置いてあり、そこで記入しますので、入場時は忘れずに記入します。退場時は、気づかずに出てしまうことがたびたびあります。プールの営業終了時にプールの底に沈んでいる人がいないかを確認するには役に立ちません。それでは遅すぎます。監視員は常に異常がないか目を光らせています。

 どう考えても、入場時刻と退場時刻を記入することが、安全向上に役に立つとは思えません。時刻を書く紙はぬれて汚くなるし、めんどうくさいのでスタッフに無駄だからやめるように話したこともありますが、なくなる気配はありません。

 そんな折、別の目的に使っているのではないかと思いました。何日の何時に何人の利用者がいるかを調べているのではないかと考えました。

 プールでは、ときどき水泳教室を開いています。6コースのうち2~4コースを使っていますが、その間、一般利用者が使えるコースは少なくなります。時間ごとの利用者数を調べることにより、水泳教室を開催する日と時間の計画が立てやすくなります。

 時間別の利用者数を調べるもっと良い方法は思いつきませんので、この考えは確信に近いものになってきました。厳密にいうと名前も書いており、安全性向上のためという説明ですから、それ以外の目的である水泳教室開催のための情報として使っているとすれば、個人情報保護法違反になります。

 安全のためと言われると渋々書く人でも、水泳教室開催の参考にするためと言われたら、拒否する人もいるかもしれません。だいたい名前の記入は不要のはずです。イニシャルでもなんでもいいはずです。実際にそうしている人もいます。

 以前、JR東日本がSuicaの乗降記録を販売することを発表したときに、利用者から拒否反応が起き、販売を中止したことがありました。情報の件数は桁違いですが、よく似ていると思います。

 私は、水泳教室のための情報収集でも、Suicaの乗降記録でも、利用していいと思います。ただし、その場合には情報を利用する目的、内容、収集方法などをきちんと明示することが必要です。

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