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長い間、不遇な時を過ごしていたピア・ツー・ピア(P2P)技術が、Windows 10 の Windows Update で使われるかもしれないとニュースになっていました。
Windows 10: Future updates can be delivered via P2P
ピア・ツー・ピア(P2P)技術とは、対等の関係にある多数の端末間で通信を行うための技術です。
Windows Updateの際に、多くのアクセスがMicrosoftのサーバに集中しますが、Microsoftにとってもその負担は大きなもののはずです。ピア・ツー・ピア(P2P)技術は、Microsoftの負担を軽減することができます。
すなわち、Windows Updateに必要なデータをMicrosoftのサーバだけからダウンロードするのではなく、すでにダウンロードがすんでいる別の端末からもダウンロード可能にすることにより、Microsoftのサーバの負荷を減らすことができます。
NeowinがWindows 10のビルド10036で次の画面を見つけたそうです。
アップデートを複数箇所からより早くダウンロードをするかどうか選択する項目があります。また、自分のローカルネットワーク上のPCからダウンロードするか、インターネット上のPCからもダウンロードするかを選択する項目もあります。
ピア・ツー・ピア(P2P)技術は、日本ではファイル共有ソフトウェアのWinnyで有名です。Winnyは、匿名性をもち効率よくファイル共有できるソフトでした。
Winnyは匿名性があったため、著作権法やわいせつ物頒布罪に抵触するファイルの交換に使われ、急速に広まりました。
そのうち、ウィルスの仕組まれたファイルも配布されるようになり、感染したパソコンに含まれる個人情報等がWinnyでばらまかれるという問題が起きました。一度Winnyで広まったデータは削除が困難で、大きな社会問題となりました。
Winnyの開発者が著作権侵害行為幇助の疑いで逮捕されるということもありました。その後、無罪が確定しましたが、ピア・ツー・ピア(P2P)技術には悪いイメージが植え付けられました。
本来、ピア・ツー・ピア(P2P)技術は、特定のサーバに高い負荷をかけることなく、多数の端末にデータを配布できる有用な技術です。
違法なファイルの共有にばかり使われていましたが、Windows Updateに使われることにより、まともな用途に使われることになりました。
これを機会にほかの用途にも使われ、サーバ資源の節約につながることになると思います。