ブルー・オーシャン戦略
ブルー・オーシャン戦略とは、競争のない未開拓市場を切り開くことと言われています。そのためには、何かを減らし、その上で特定の機能を増やすことにより、それまでになかった価値を向上させるバリューイノベーションが必要だとされています。
しかし、競争のない未開拓市場など簡単には見つかりません。
特に、起業しようとする人が、なんとかして未開拓市場を見つけようとすると、そもそも需要のないところだったりします。未開拓市場に見えたのは、需要がないために誰も手を付けていなかったということです。
これを避けるために、起業する人に、すでに存在する市場を目指すようにアドバイスする人もいます。誰もやっていないのは、ブルー・オーシャンなのではなく、需要がない証拠だという考えです。
しかし、既存の市場は高い確率でレッド・オーシャンです。
需要はありますが、競合も多く、すぐに価格競争となります。このような市場に新たに参入してもすぐに疲弊します。
起業時に参入すべき市場
起業時にお客様となってくれるのは、多くの場合、それまでの知り合いです。いわばコネです。
コネのお客様がリピート客となってくれれば、事業が動き始めます。
コネのお客様がリピート客となってくれなければ、コネがなくなったところで、お客様がいなくなります。
コネのお客様がいなくなる前に、新規のお客様を集客できるようになるか、リピート客となってもらわなければなりません。
コネのお客様も理由がなければ、リピート客になってくれません。新規のお客様を集客するためには、他の競合からあなたを選んでくれる理由が必要です。
つまり、競合他社ではなく、あなたの商品やサービスを選んでくれるきちんとした理由がなければ、事業はなりたちません。
事業を行うためには、差別的優位点を持つことが必須である理由です。
逆に言えば、差別的優位点さえ持っていれば、お客様はあなたの商品やサービスを購入してくれます。ただし、価格が差別的優位点だとすると、簡単に競合他社に真似をされ、価格競争の泥沼にはまります。
差別的優位点
差別的優位点は、すべてのお客様に対して持つ必要はありません。
特定のお客様にとって、あなたの商品やサービスが優れているならば、その特定のお客様に買ってもらえます。
それならば、お客様を特定し、そのお客様にとって最適な商品やサービスを提供することにより、売ることができます。
ここに、お客様を分けて、ターゲットを絞り、お客様に利益を提供する、STPマーケティング(Segmentation, Targeting, Positioning)が成り立ちます。
結論
ブルー・オーシャンは簡単には見つかりません。
特に起業時には、ブルー・オーシャンを見つけようとするのではなく、お客様を絞り込み、絞り込んだお客様に差別的優位点のある商品やサービスを売る、STPマーケティングの方が有効です。